【ITS世界会議13】ホンダの自律型/インフラ協調よる自動運転はWi-Fiを活用

自動車 テクノロジー ITS
協調型自動運転のデモを行ったアコード
協調型自動運転のデモを行ったアコード 全 13 枚 拡大写真

ホンダが「ITS世界会議2013」でデモ公開したのは、車車間/路車間通信を併用する「協調型自動運転」と、ショッピングなどでの利用を想定した「自動バレーパーキング」の二つ。いずれも決められた枠内でのデモ走行となったが、ホンダの自動運転への姿勢を見ることができた。

まずショーケースとして紹介されたのは「自動バレーパーキング」からだった。2台の車両が駐車する中を、このサービスに対応する機能を備えたフィットEVの2台が自動走行するのだ。駐車場には4台のカメラが設置され、この管理の下、車両をコントロールして指定位置に移動させる。管理される車両はバックカメラを備え、自動運転のための制御機能を備えるものの、それ以上の装備は不要。つまり、比較的簡単なシステムで「自動バレーパーキング」が実現できる可能性があるのだ。

本田技術研究所四輪R&Dセンター上席研究員である横山利夫氏は「特別な装備なしでサービス提供が可能になるメリットがあり、立体駐車場なら天井があることでカメラの設置がしやすくなり却って運用がしやすくなる」と話す。

続いてアコードによる「協調型自動運転」では後席に試乗しての体験となった。スタートしてまず遭遇するのが、歩行者への認識だ。これはルームミラー下に備えられた幅16cmのステレオカメラによって認識され、歩行者が渡り切るまで車両は自動停止。続いて、電動カート「モンパル」との車車間通信で、これはWi-Fiによって通信された。

優先道路の手前に来るとDSRCによって、優先道路を走行してくる二輪車の情報を伝えてきた。優先道路の車両は300m先まで捉えることができ、脇道にいる自車が走行しようとすると警告を発したりもする。

最後の障害として用意されたのが、駐車中のクルマの脇を抜けようとする際、後方から二輪車が近づいてきたというもの。駐車中の車両はステレオカメラで認識し、後方から来る二輪車は76GHzのレーダーセンサーによって検出を行う。二輪車が脇を抜けるまで車両は自動的に待機状態となり、抜き去ることがわかると走行を開始した。

この間、すべてを通して3分間ほどのアッという間の体験。完全な自律型の自動運転ではないが、自動運転には欠かせないホンダのIVIへの対応を様々なパターンで対応する様子が伝えられた。

この自動運転の実現について前出の横山氏は、「ホンダは協調型の自動運転として、3つの意味があると考えています。1つめはクルマと人とが協調することが重要。2つめは安全/安心に自動で移動できるために無線と自立型の協調が必要。3つめが自動運転じゃないクルマは決してなくならないわけで、これらのクルマとの協調も必要。これをきちんと踏まえた上で実用に耐えられるシステムを開発していこうと考えている」と話す。

また、歩行者の捕捉については「歩行者が特別な端末を持つスタイルは現実的ではない。広く普及しているスマートフォンで利用できるWi-Fiの方が現実味がある」とも語っていた。

《会田肇》

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