【第3回鉄道技術展】J-TREC、ステンレス車「sustina」で新たなインテリアを提案

鉄道 テクノロジー
「鉄道技術展」の総合車両製作所ブースに展示された新型の吊り手
「鉄道技術展」の総合車両製作所ブースに展示された新型の吊り手 全 5 枚 拡大写真

幕張メッセ(千葉市美浜区)で6日開幕した「第3回鉄道技術展」で、総合車両製作所(J-TREC)は同社のステンレス車両「sustina(サスティナ)」を中心に紹介。工夫を凝らした新タイプの吊り手や、シートの実物を設置したインテリアの展示が人気を集めていた。

「sustina」は同社が開発した次世代ステンレス車両のブランド名で、先行車両として東急電鉄5050系の5576号車がすでに運行されている。レーザー連続溶接の採用によるすっきりした外観が特徴で、これまでのスポット溶接で必要だった水密シール加工が不要となり、シールの経年劣化による補修が必要ないためメンテナンス性が向上しているという。

また、車内の手すりをロールバー構造とし、衝突時の安全性が向上しているほか、車体構造や機器システムなどの仕様共通化、アルミ車体と同等の軽量化実現などでライフサイクルコストを低減できる点などをアピールしている。

ブースでは「sustina」のインテリアとして新たな吊り手とシートを提案していた。これまでにないユニークな形状の「sustina吊手」は、少ない力で姿勢を維持できるよう考案された吊り手。ぶら下がった状態から引き寄せて握るため、使用する際は低くなり、未使用の際は座席から立ち上がった乗客が頭をぶつけにくい高さを維持できる。また、ぶら下げているパイプとの距離を短くできるため振り幅が小さくなるほか、電車が揺れた際も手を少し前に突き出すだけで姿勢維持ができ、従来の吊り手より体の負担が少ないという。

「sustinaチェア」は座り心地とコストダウンを両立したシートで、座面が前に向かってやや傾斜しているのが特徴。高齢化社会への対応として立ち上がりやすさを考慮した構造という。ほかにも「sustinaが提案する新しいインテリアデザイン」として、螺旋形で360度どこからでもつかめる握り棒「スパイラルポール」や、液晶表示のできるガラス戸、照明と広告を兼ねた天井の大型有機ELディスプレイなどを模型で紹介している。

その他、今年6月に仏アルストムと国内導入に向けた協力が発表されたLRV「Citadis(シタディス)」やコンテナなどについても展示があった。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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