国立天文台 すばる望遠鏡搭載の超広視野主焦点カメラでアイソン彗星の尾を撮影

宇宙 科学
HSC で撮影されたアイソン彗星 (C/2012 S1)。ハワイ現地時間2013年11月5日の明け方 (日本時間11月5日23時~24時頃) 撮影、観測波長は 760 ナノメートル (i バンド)。画像の上が北、左が東で、視野の直径が 1.5 度角。
HSC で撮影されたアイソン彗星 (C/2012 S1)。ハワイ現地時間2013年11月5日の明け方 (日本時間11月5日23時~24時頃) 撮影、観測波長は 760 ナノメートル (i バンド)。画像の上が北、左が東で、視野の直径が 1.5 度角。 全 1 枚 拡大写真

自然科学研究機構 国立天文台は、すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ『Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム:HSC)』で太陽に接近しつつあるアイソン彗星 (C/2012 S1)を撮影、彗星の尾が延びている様子を捉えたと発表した。

観測はハワイ現地時間2013年11月5日の明け方 (日本時間11月5日23時~24時頃) 、HSC の性能試験観測の一環として行われたもの。彗星の尾が太陽と反対の方向に1度角以上も延びる様子を淡い部分まではっきりと捉える事に成功している。 観測当時、アイソン彗星は地球から約 1.7 億キロメートル、太陽から 1.3 億キロメートルの距離にいた。国立天文台の渡部潤一副台長は「すばる望遠鏡と HSC の威力を感じました。アイソン彗星の尾が2筋に見えていますが、これはチリの尾とガスの尾が分かれて見えているものかもしれません。今回すばる望遠鏡が捉えたような姿が、今後、双眼鏡や肉眼でも見える可能性が十分にあると思います」とコメントしている。

すばる望遠鏡に搭載された HSC は、満月9個分の広さの天域を一度に撮影できる世界最高性能の超広視野カメラ。国立天文台が中心となり、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構など国内外の研究機関が共同で開発。主焦点ユニットは三菱電機が製造している。2012年8月に性能試験観測を開始し、今年7月末にはファーストライト画像として、日本やハワイから見える銀河としては見かけの大きさが最大のアンドロメダ銀河 M31の画像を公開した。HSC 開発責任者で今回の性能試験観測を指揮した国立天文台の宮崎聡准教授は、「恒星とは違った動きをする天体の追尾の性能試験を行うために、今回アイソン彗星を観測しました。私たちが開発したHSCの大変広い視野を活かし、彗星核の後ろに延びる尾をきれいに写し出す事ができて感激しています。HSC の優れた性能をお伝えできるような画像になりました」とコメントしている。

《秋山 文野》

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