ドライブの安全・安心にこだわったパナソニック『ストラーダ』の最量販モデルが「R300シリーズ」だ。取材した『CN-R300WD』はトヨタ/ダイハツ車などにジャストフィットする幅200mmのワイドボディモデルで、使い勝手を徹底して高めたことで人気モデルとなっている。
中でも安全・安心の要となっているのが、ITSスポットサービス(DSRC)と、新開発のフロントインフォディスプレイ『CY-DF100D』への対応だ。
ナビ機能については後編で詳しく説明するとして、ここでのインプレッションでは、安全/安心のドライブをサポートするITSスポットサービスと、フロントインフォディスプレイ対応について、機能と使い勝手をレポートしたい。
◆長距離の交通状況や渋滞情報も
DSRCとはDedicated Short-Range Communication(狭域無線通信)の略称で、ETCと同じ5.8GHz帯を用いた双方向無線通信技術のこと。国土交通省ではこの通信技術を使った「ITSスポットサービス」を高速道路中心に全国約1600カ所で展開しており、2.4GHzを使ったこれまでのVICS電波ビーコンよりも大量のデータが送受信できる点が特長だ。
具体的には、道路交通情報提供サービスとして約1000km分の広域交通情報を活用でき、安全運転支援サービスとしてはカーブの先の渋滞状況や合流地点での合流車注意喚起などを得ることができる。一部では画像情報で進行方向の状況を把握することも可能だ。また、将来的には駐車場やドライブスルーでの料金決済サービスといった様々なサービスも計画中で、ETC決裁はこれまでのETCカードをそのまま使用することができる。
このITSスポットサービスだが、別売のDSRC車載器(『CY-DSR110D』)を組み合わせることで実現する。通行料金決済を行うETC機能にとどまらず、高速道路上で発生した渋滞や交通規制の情報、ルートガイド中の渋滞回避までも可能になる先進のシステムだ。これまで高速道路で渋滞回避をするにはビーコン受信機を搭載する必要があったが、この対応によりその必要はなくなる。
忘れてならないのは、国土交通省の施策として、高速道路上でのVICS電波ビーコンは新規開通道路から敷設されなくなっていること。つまり、今後はDSRC車載器を搭載しなければ高速道路での渋滞回避はできなくなってしまうのだ。その意味で、DSRC車載器の役割はますます高まっていく。本機はそれを見越していち早くITSスポット対応を果たしたというわけだ。
◆視線移動を最小限にとどめるフロントインフォディスプレイ
フロントインフォディスプレイ・CY-DF100Dはダッシュボード上に設置することで、ほとんど視線移動することなくカーナビ情報が得られるようになる先進のシステム。表示部のコンバイナーはダッシュボード上にセットされるため、情報が映し出されるのは運転中の視野内。この装着によって、いちいちコンソールにあるナビ画面を見る必要がなくなるのだ。
しかも映し出される情報は、見やすさのために色合いや輝度を徹底的に追求されており、たとえ晴天下であっても鮮明そのもの。表示情報はルートガイドから渋滞や交通規制の発生、ETC情報など多岐にわたり、この情報だけで目的地までたどり着くことも不可能ではない。
ただ、これだけの表示を行えば、さぞかしカーナビ側に負荷がかかるのではないかと心配になってくる。でもそんな心配は無用! カーナビ側から受け取った情報は、フロントインフォディスプレイ側ですべて処理されるからだ。DSRC車載機、フロントインフォディスプレイともに別売のオプション装備とはなるが、ドライブ中の安心・安全を高めるシステムとして、ぜひ組み合わせて使うことをオススメしたい。