【ホンダ オデッセイ 試乗】全高アップも走りの楽しさは絶品…青山尚暉

試乗記 国産車
ホンダ・オデッセイ G EX
ホンダ・オデッセイ G EX 全 18 枚 拡大写真

オデッセイはこの5代目にしてついに両側スライドドアを採用した。

【画像全18枚】

そしてエリシオンと統合するため、また3/4代目オデッセイの不満点としてあげられた室内空間を拡大するため全高を先代比で15cmアップ。堂々とした本格ミニバンルックへと生まれ変わったのである。

しかし、全高を高めれば重心が上がるのは必至。とはいえ走りにこだわるオデッセイがそれでいいはずがない。そこで超低床プラットフォームを新設計。世界一薄い燃料タンクなどの工夫でワンステップフロアは地上30cm。全高が15cmも高まったも重心高はたった2cmしか高くなっていないのだからすごい!

標準車のエンジンはアースドリームテクノロジーの2.4リットル直4で175ps、23.0kg-m。ミッションは最新のCVTだ。JC08モード燃費は13.8km/リットルとなった。

新型オデッセイの運転席に乗り込めば、まずはシートの掛け心地に良さに感動である。先代までは大げさに言えば板のような掛け心地だった。しかし今では上半身を優しく包み込むような心地よさがある。理由はシート骨格、形状もあるが、表皮に3cmのソフトウレタンを張っていることが大きい。メーターも常識的なデザインとなり、ナビ画面も手前になった。

スライドドアから後席に乗り込めば、ごく低いノンステップバス並みのワンステップフロアによって老若男女(そして犬も)を問わず乗降性は世界のミニバン最上級。そしてプレミアムクレードルシートと呼ばれる2列目席キャプテンシートはオットマン&肩シートベルトを採用。74cmものロングスライドを実現し、シートを中寄せすることで独立4座のプレミアムクルーザーへと変身。前席同様に表皮に30mmのソフトウレタンが張られ、掛け心地は超快適だ。

身長172cmのボクのドラポジ基準で2列目席ひざ回り空間は通常状態で33.5cm。最大78cm!!と広いにもほどがあるスペースが広がる。ちなみに78cmはエスティマのスーパーリラックスモードとまったく同じである。

さらにリクライニング角度は約170度。寝てみるとほぼフラットな感覚で、寝心地は自動車用シート最上。思わず眠りについてしまったほどである。

3列目席も頭上に14.5cm、ひざ回りに最小14cm~と十分なスペースがある。座面が比較的高めにセットされているため体育座りにならず、床下収納アレンジのためクッションがやや薄めでも掛け心地そのものは上々だ。2列目席がキャプテンシートなら1-3列スルーも可能で乗降性、前方見通し性に優れているから快適である。

荷室は開口部が驚くほどスクエアで、開口部地上高が超低床パッケージの恩恵から52・5cmと劇的に低く、荷物の出し入れはもちろん、3列目席床下収納状態ならワゴンのように使え大型犬などの乗降も容易。ミニバンとして最上かつ理想のパッケージ、使い勝手の持ち主と断言したい。

走りの面では世界の一流品と言えるZFLS社製パワステ、ザックス社製振幅感応型ダンパーを全車に採用。ホンダにオデッセイにかける意気込みが伝わってくる。

16インチタイヤを履く標準車で走りだせば、車重が先代より100kgほど重くなっているにもかかわらず、実に軽快に動き出す。パワステは軽くスムーズで、最小回転半径5・4mと小回りも利くから走りやすさ抜群だ。

カーブや山道でステアリングを切り込めば、この車体、車重を感じさせないリニアにスッと向きを変える身軽さがあり、適度なロールこそ許すものの不安な挙動とは無縁。飛ばしても超リラックスしていられるクラスベストの(同アブソルートを除く)安定感、ブレーキの剛性感の持ち主と言っていい。

もっとも、乗り心地は1列目席ならすこぶる快適だが、2列目席はシートの掛け心地が良くても路面の凸凹が直接的に伝わりがち。3列目席はそのゴツゴツ感に加え、上下の揺すられ感、バックドアガラスから透過してくるロードノイズが気になってしまう。それはサスを先代の前後ダブルウィッシュボーンから空間効率に優れるステップワゴン同様のF)ストラット、R)トーションビームに変更したのが一因だと思われる。それでも操縦性は文句なしではあるのだが・・・・。

ちなみに現時点で未試乗だが、標準車にOPの17インチタイヤを装着したタイプが乗り心地と操安性の面でベストバランストと推測できる。開発陣に聞いてもその仕様はなかなからしいのだから期待したいところだ。

しかしこの時期にHVがないのは残念。このボディーに対応するHVシステムを搭載すると100万円近く高くなってしまうからだそうだ。それが50万円程度になったとき、オデッセイHVのデビューのニュースが流れるかもしれない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『セリカ』ついに復活へ、GRスポーツ戦略は3本柱に?
  2. 【スズキ ワゴンR 新型試乗】「MTが少ない」と嘆くあなたに、『ワゴンR』があるじゃない…中村孝仁
  3. ホンダアクセス、『フィット』向け「テックマチックシステム」改良…マルチビューカメラ装備車にも対応
  4. トヨタ『GRスープラ』次期型、トヨタ主導の独自開発なるか…土曜ニュースランキング
  5. ホンダ『プレリュード タイプR』始動か!? VTECターボ搭載、330ps超の史上最強クーペ誕生へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  2. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  3. フィジカルAIがもたらす自動車業界の地殻変動とモビリティの未来…博報堂DYホールディングス 執行役員 CAIO 森正弥氏[インタビュー]
  4. FORVIA HELLA、12Vリチウムイオン電池パック発表…鉛蓄電池より約20%軽量化
  5. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 全固体(半固体)電池の現在地と将来展望~問われる全固体電池ならではの優位性とその価値の再定義~
ランキングをもっと見る