トヨタが東京モーターショー13に出展した、『JPNタクシーコンセプト』は、日本のおもてなし感を演出した室内空間になっている。
サイドのスライドドアを開けて室内に乗り込もうとして目につくのが、ユニバーサルデザインの黄色いラインだ。トヨタ自動車東日本デザイン部第2デザイン室第1デザイングループグループ長の堀田達也さんは、「このマークは必要な方と必要でない方がいる。どなたにとっても快適室内でなければならないので、これ見よがしにはしていない」という。
例えば、フロントシートのシートバックにあるグリップはどこでも掴めて、伝わりながら室内に入ることが出来るようにしてある。そこにある黄色いマークは、立ち上がった状態では良く見え、シートに座ると隠れて見えなくなるよう工夫がなされているのだ。
また、おもてなし感のひとつとして、室内側のサイドウインドウの枠には木目調があしらわれた。「乗客から景色がきれいに見えるということは大事だ。そこで、窓枠に木目をあしらうことで、眺望を良くしている」と話す。
タクシーとして乗客の安心感も重要だ。調査によると、特に女性からの不満点として、「どこを走っているのか、本当に思っているところに向かっているのかが不安になるという声があった。そこで、なるべく広範囲に外が見えるようにしている。さらに、ルーフにナビを取り付け、行先や目安時間、回り道をされていないかなどが確認できるようにした」と説明する。
堀田さんは、「開放的すぎると、プライバシーがなくなって嫌がられるかとも考えたが、圧倒的に開放感を求める声が大きかった」と語った。