JR東海のシカ対策装置、キハ25形にも設置へ…非設置車に比べ遅れ3分短縮

鉄道 テクノロジー
JR東海が開発した「衝撃緩和装置」。先頭車の前面下部にクッション状の器具を設置し、シカを線路の外に押しのける。
JR東海が開発した「衝撃緩和装置」。先頭車の前面下部にクッション状の器具を設置し、シカを線路の外に押しのける。 全 3 枚 拡大写真

JR東海はこのほど、列車とシカの衝突時に衝撃を緩和する装置について、これまでの試行実績を発表した。運行時間の遅れを短くできるなどの効果が見られたことから、同社は今後も設置車両を増やしていく。

同社によると近年、シカとの衝突事故が多数発生するようになり、列車の遅れや車両の破損などの問題が生じていた。こうしたことから同社は、衝突時にシカを線路の外に押しのける「衝撃緩和装置」を開発。紀勢方面の特急『ワイドビュー南紀』で運用しているキハ85系の先頭車6両(連結タイプ4両・非連結タイプ2両)に設置して、効果の検証を続けてきた。

2012年7月から今年11月にかけて発生した『ワイドビュー南紀』とシカの衝突は140件。衝撃緩和装置を設置した車両との衝突は75件、非設置車両との衝突は65件だった。シカを線路外に押しのけた件数は、設置車両が64件、非設置車両が47件で、押しのけた割合は設置車両の方が13%高い。シカとの衝突による遅延時間の平均も設置車両が15.1分、非設置車両が18.2分で、設置車両の方が約3分短かった。30分以上の遅れが発生したのは設置車両が1件、非設置車両が6件だった。

同社は今後も衝撃緩和装置の設置車両を増やす方針。2014年度から2015年度にかけて高山本線と太多線、紀勢本線、参宮線に順次投入するキハ25形2次車52両に、分割・併合を考慮した形状の衝撃緩和装置を設置する。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  4. 史上最強のVW『ゴルフGTI』、6月20日デビューを予告
  5. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る