アウディは18日、チームラボとのコラボレーション作品『The Waterfall on Audi R8』を公開した。
同作品は、アウディ『R8』を岩に見立て、滝のプロジェクションマッピングを投影するというもの。一度コンピューター上にR8を含めた空間全体を再現し、そこに粒子の連続体として計算した水を大量に降らせている。公開期間は12月19日から2014年1月5日まで。
アウディジャパン広報部の青木雄一郎氏は「我々が掲げている"Vorsprung durch Technik(技術による先進)"というスローガンにまさしくぴったりな、ウルトラテクノロジスト集団・チームラボと初めてコラボする機会に恵まれた。アウディフォーラムでの今年一年を締めくくるにふさわしいイベントだ」と述べた。
一方、チームラボ代表の猪子寿之氏は「粒子の相互間の物理計算によって決まる挙動で、空間上に線を引いたものが滝になっている。それを実際の車両に投影したのがこの作品」と話す。滝壺の波紋までもが、計算に基づき忠実に表現された。
さらに作成の経緯については「伝統的な日本美術の世界では、川や波など、水が線の集合体として描かれることが多かった。例えば、カメラでレンズを開きっぱなしにしていると光のラインが残る。それと同じように脳内で視覚情報として得る際に用いる時間の長さが、西洋よりも長かったのではないか…という考えがきっかけで、挙動を線にした作品を作るに至った」(猪子氏)と語った。
会場2階には、日本画家・伊藤若冲の升目画にインスパイアされた『統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う』も展示。国内での公開は初となる。「こちらは、近づいて体を動かしたりすると絵がピクセルアートのように変化する、インタラクティブな作品」(猪子氏)だという。
最後に猪子氏は「アウディのコンセプトと共通しているが、テクノロジーが表現を可能性を新しい領域に持って行けると信じている。ぜひ実物を前にして体感してほしい」と話した。