気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年1月9日付
●五輪委員長に森元首相、政府調整、24日にも組織発足(読売・1面)
●日立社長に東原氏、川村会長は相談役に(読売・2面)
●川村会長経団連次期会長を固辞(読売・9面)
●渋滞、成長の痛み、バンコク、ジャカルタ、シンガポール(朝日・15面)
●日本勢、中国に技術移転、エコカー・鋼板需要見込み(毎日・1面)
●日本車、中国で復調、反日ムード沈静化、戦略車投入品質評価され(毎日・4面)
●全ダイハツ労連がベア1%以上要求、今春闘で検討(産経・11面)
●ソニー復活へゲームに命運(東京・2面)
●東南ア、賃上げ広がる、ベトナムなど2ケタ増 (日経・1面)
●新車購入者の三分の一選択、「軽」首都圏でも快走 (日経・39面)
ひとくちコメント
新年早々、1月23日に告示される東京都知事選の候補者選びばかりではなく、主要団体や企業の首脳人事をめぐる動きがかまびすしい。
日立製作所は、東原敏昭執行役専務が4月1日付で執行役社長兼COO(最高執行責任者)に昇格する人事を発表。中西宏明執行役社長は執行役会長兼CEO(最高経営責任者)に就き、川村隆会長は3月31日付で退任し、相談役に就く予定だ。
その川村会長は、“財界総理”といわれる経団連の次期会長の「大本命」。しかし、「財界活動は、現役で仕事をしている人がやるのが、会社のためになる」と述べ、74歳という高齢などを理由に財界活動から身を引く考えを示している。きょうの各紙にも「川村氏、経団連会長受けず」(毎日)と伝えている。
そこで米倉弘昌会長の後継人事だが、目下のところ、新聞事例では「コマツの板垣正弘相談役や、三菱重工の佃和夫相談役、トヨタ自動車の内山田武志会長らの名前が取りざたされている」(読売)。ただ、米倉会長が「製造業トップを務めている経団連幹部から選ぶ」という考えを明らかにしているためで、大本命の辞退で後継選びは混沌としてきた。
一方で、2020年の東京五輪の運営母体となる大会組織委員会のトップとなる会長人事だが、きょうの読売が「森喜朗元首相を軸に調整を進めている」と1面準トップで報じている。これも有力候補だった御手洗富士夫・経団連名誉会長や張富士夫・トヨタ自動車名誉会長らが難色を示しているためだという。
ひと昔前の財界は、論客などの逸材がキラ星のごとく存在したが、バブル崩壊後は社業に追われて内向きの経営者が多くなり、財界活動の地盤沈下とともに、人材が不足していることも否めない。トヨタ自動車の豊田章男社長が“飛び級”で、経団連の「スポーツ推進委員会」の初代委員長に就任したのもその代表例だろう。