アリアンスペース社、2014年の打ち上げ目標は10機以上と発表
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2月には、アリアン5ECA による静止トランスファ軌道への打上げが2回行われる。アリアン217 号機では2 機の通信衛星「ABS-2」「Athena-Fidus」を、アリアン216 号機では2 機の通信衛星「Astra 5B」「Amazonas 4A」打ち上げを予定している。欧州政府系の打ち上げミッションとして、測位衛星「Gallireo」衛星群や地球観測衛星「Sentinel 1A」が予定されている。夏には、ESAの国際宇宙ステーション補給船の最後となる「ATV 5号機(ジョルジュ・ルメートル)」打ち上げがアリアン5ESロケットで行われる。
アリアンスペース社が受注している2014年以降の打ち上げ受注数は、アリアン5ロケットが21回、ソユーズが9回、VEGAが6回となっている。これまで、2012年に達成した10回の打ち上げ回数が同社の最多記録で、2014年はこれを越える目標とのことだ。
今後、アリアンスペース社は2015年以降に導入するロケットまたは射場設備の改良を予定している。アリアン5ECAロケットは、静止通信衛星の大型化に対応するため、フェアリング下部を延長し衛星の搭載有効高さを増やすとしている。新システムは2015年下期に導入される。また、ソユーズ上段のフレガットへの推進剤を充填する新しい燃料準展施設を、南米・仏領ギアナのギアナ宇宙センターに導入する。これにより、現在は別棟で行われているフレガットへの推進剤充填作業時間を短縮することができ、より短い間隔で打ち上げが可能になるという。新設備は2015年上期に稼働を開始する。
2014年12月に開催されるESA 閣僚級理事会では、アリアンスペース社の事業ロードマップが改定される予定だ。2017年初打ち上げといわれていたアリアンロケット改良型、「アリアン5 ME」の打ち上げは2018年初旬の予定だという。
《秋山 文野》