南極観測船「しらせ」が、1月4日現地時間16時30分(日本時間22時30分)、昭和基地の沖合約600メートルの定着氷に到着、3年ぶりに昭和基地接岸を果たした。
第55次南極地域観測隊(宮岡第55次南極地域観測隊長)を乗せた南極観測船「しらせ」は、昨年11月8日に晴海ふ頭から豪州・フリーマントルを経由し、南極昭和基地に向かって出港し、このほど昭和基地に接岸した。
昭和基地のある南極リュツォ・ホルム湾は、ここ数年、厚さ約6メートルの海氷と2メートル余りもの積雪に覆われ、南極観測船「しらせ」は昨年まで2シーズン続けて接岸を断念していた。
第55次南極地域観測隊は、昨年12月18日から最も海氷が厚い多年氷帯の砕氷航行を開始し、船首を海氷に乗り上げて割りながら進むラミングを1900回以上繰り返し、18日間かけてこの難所を突破した。往路のラミング総数は計2227回。
南極地域観測隊は、1年間の越冬観測を支える燃料を、南極観測船「しらせ」からパイプラインによる輸送を行うほか、雪上車による氷上輸送やヘリコプターによる空輸で、車両や物資・食糧を昭和基地に搬入する。予定通りに輸送が完了すれば、2月中旬に第54次越冬隊と交代して第55次越冬隊が1年間の越冬観測を開始する。