追突事故を誘発した男に全責任を認めず、猶予付きの有罪に

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昨年7月、滋賀県甲賀市内の新名神高速道路で、故意に減速して後続車を本線上に停止させ、大型トラックによる追突事故を誘発。後続車の2人を死亡させたとして、自動車運転過失致死罪に問われた44歳の男に対する判決公判が10日、大津地裁で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2013年7月17日の午前3時50分ごろ発生している。甲賀市甲南町杉谷付近の新名神高速道路下り線で、第1車線で停止していた軽乗用車に対して後ろから進行してきた大型トラックが追突。その前方に停車していた乗用車にも突っ込んだ。この事故で軽乗用車は大破炎上し、運転していた21歳の女性と同乗していた23歳の女性が死亡。乗用車を運転していた44歳の男も重傷を負った。

後の調べで、乗用車と軽乗用車の間で通行を巡る交通トラブルが発生していたことが判明。乗用車を運転していた男は軽乗用車を抑止し、運転者に文句を言おうと目論み、前方へ回り込んで減速していたことがわかった。警察は「結果として事故を誘発した」と判断して運転者の男を逮捕。検察は自動車運転過失致死罪で起訴していた。

10日に開かれた判決公判で、大津地裁の丸山徹裁判官は「被告は通行を巡ってトラブルとなった後続車を止める目的で減速した」と認定した。

その上で裁判官は「走行車線で停止した場合、後続車が高速で追突してくる恐れがあることは十分に予見でき、被告の行為は悪質である」と指摘しながらも、その一方で「被害車両が停止したのは、被害者の意思があったとも推測できる」とした。

被害者の命を奪うことになった追突事故自体は後続トラックの居眠り運転が原因で発生していることもあり、裁判官は「責任の多くを被告に負わせることは酷である」として、被告に対して懲役2年6か月(執行猶予5年)の有罪判決を言い渡している。

《石田真一》

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