富士重工業(スバル)の吉永泰之社長は、高水準の受注に対する供給力のひっ迫対策として「日米での能力増強と休出・残業で対応していく」との方針を示した。1月15日の報道陣との懇談会で表明した。
富士重工は同日、2014年暦年の生産・販売計画を発表し、グローバルの小売台数は前年比6%増の88万台と、3年連続で過去最高となる目標を掲げた。この中には国内向けにダイハツ工業からOEM調達している軽自動車が約5万5000台含まれているので、自社で必要な生産は82万5000台規模となる。
これに対し、14年の世界生産計画はトヨタ自動車向けに国内で生産している『86』を含み86万5000台(前年比7%増)とした。この水準が世界販売計画に対応する数字という。ただし、富士重工の生産能力は現状ではグローバル(日米)で77万台強にとどまる。
このため、昨年秋には群馬製作所本工場(同県太田市)で年2万台、米国工場(インディアナ州)で同3万台の能力増方針を打ち出した。いずれも今年の夏に増強する。吉永社長は「(供給は)大丈夫かと思われるかもしれないが、販売計画に対応した態勢は取れる」と語った。