BASFジャパンが既存の尼崎研究開発センターを拡張し、バッテリー材料に特化した研究施設「尼崎研究開発センター・バッテリー材料研究所」を開設した。
同施設は、兵庫県尼崎市の尼崎リサーチ・インキュベーションセンター(ARIC)内にある。アジア・太平洋地域で初めての基礎研究・開発・顧客サポートの機能を兼ね備えたバッテリー材料研究施設である。バッテリー材料研究所では、BASFのグローバルな研究開発ネットワークの拠点として、世界の技術基盤を活かした高性能リチウムイオン電池用の電解液と電極材料の開発に重点的に注力する。
また、同研究所は日本の顧客と共同開発し、より迅速に日本の顧客のニーズを満たすサービスを提供するとしている。
バッテリー材料研究所は約600平方メートルの広さで、新しいオフィスと研究所を設けた。総投資額は数百万ユーロ(数億円)。同研究所は、有機合成、無機合成、解析、電気化学試験というさまざまな領域の研究を行うことが可能で、バッテリー使用時に、電極材料と電解液のような異なる物質間において、どのような相互作用が生じているかを理解し、用途に応じて材料を最適化していく。
同社では、既存の尼崎研究開発センター内に同研究所を開設し、尼崎の研究開発基盤を拡大することで、有機太陽電池や有機トランジスタ、有機ELなどの電子材料を研究している、既存チームとのシナジー効果も創出していく。
BASFジャパンのヨルグ-クリスチャン・シュテック社長は「日本はバッテリーの製造と開発において先進的な国であり、顧客と密接な関係を築くことで、顧客のニーズにより良く対応する」と述べている。