東レは、航空機や自動車向け炭素繊維事業を強化するため、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ郡に約約160万平方メートルの事業用地を取得したと発表した。
米国は、シェール革命による産業競争力の復活と、それに伴う製造業回帰が見込まれ、航空機やエネルギー関連産業向け最先端技術の開発が進められるなど、先端材料に対するニーズが高まっている。また、今後の経済成長が期待されるメキシコやブラジルなど中南米地域へのアクセス拠点として、重要性が高まっている。
今回取得した事業用地は、先端材料事業拠点として積極的に経営資源を投入していく計画。
用地には、原糸から焼成まで一貫の高性能炭素繊維生産設備と、炭素繊維「トレカ」を使用した中間基材である「トレカ」プリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)の生産設備を新設する。設備は2016年末に稼働させる予定。
同社では、航空機や自動車向け軽量化ニーズが高まる米国で、2020年までに1000億円規模を投じて炭素繊維複合材事業の拡大を加速する。
東レグループでは今後も、海外拠点の有機的な連携を強化し、新たな市場拡大を推進していく。