2014年2月19日、ESAの科学プログラム委員会は、地球と同型の惑星発見を目指す宇宙望遠鏡『PLATO』を2024年に打ち上げる計画を採択したと発表した。
34台の小型望遠鏡とカメラを統合するPLATO( PLAnetary Transits and Oscillations of stars :プラトン)宇宙望遠鏡のミッションは、ESAの中長期宇宙探査計画「コズミック ビジョン 2015-2025」計画の一環となる。惑星の形成と出現、太陽系の活動を調べるのが目的。太陽系から比較的近い恒星系で、"ハビタブルゾーン"と呼ばれる、水が液体として存在できる領域での地球と同様の環境を持つ惑星の観測を目指す。恒星の振動からその周囲の惑星の性質、質量や半径を割り出し、密度や内部の構成もわかるようになるという。
PLATO宇宙望遠鏡は、2017年に打ち上げられる「ソーラーオービター」と2020年に打ち上げられる「ユークリッド」宇宙望遠鏡と協力して活動する予定だ。ソユーズロケットで仏領ギアナ・ギアナ宇宙センターから2024年の打ち上げとなる。地球から1500万キロメートルのL2ラグランジュポイントに投入され、活動する。
今回、コズミックビジョンの候補として検討された計画には、系外惑星観測計画「EChO(エコー)」、ブラックホール観測X線大型望遠鏡「LOFT(ロフト)」、地球近傍小惑星サンプルリターン計画「MarcoPolo-R(マルコポーロR)」、時空探査・量子等価原理検証探査「STE-Quest(STE クエスト)」が挙げられていた。特にマルコポーロRは、小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」の技術を引き継ぐ日本・欧州共同探査計画として提案された経緯があり(「はやぶさマークII」とも呼ばれた)、採択が期待されていたものの、今回はPLATO宇宙望遠鏡に決定した。