【中田徹の沸騰アジア】大盛況だったオートエキスポ、インドの人々のレジャーとは?

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タタ ゼスト(デリーモーターショー14)
タタ ゼスト(デリーモーターショー14) 全 42 枚 拡大写真

2年に1度のインド自動車ショー、「第12回オートエキスポ2014」( デリーモーターショー14)が2月5~11日の日程で、デリー郊外のインディア・エキスポ・マートで開催された。12回目となる今回のショーでは、コンセプトカー、スタディモデル、量販車などが多数出展された。

とにかく盛りだくさんな内容だったが、特に目立っていたのがSUVとクロスオーバー。タタモーターズなどの現地系から発表された複数のコンセプトカーも面白い。また、(下記では触れなかったが)マルチスズキが仕掛けてきたAT戦略にも注目だ。

現地系のコンセプトカーに存在感

今回ショーの特徴のひとつがコンセプトカーの多さだ(前回までのオートエキスポでは量販車や量産用試作車の発表がほとんどだった)。タタやマヒンドラ&マヒンドラといった現地系を中心に複数の次世代モデルが提案された。

販売不振にあえぐタタだが、今回のオート・エキスポでは勢いがあった。乗用分野では、2014年発売予定のコンパクトセダン『ゼスト』とプレミアムハッチバック『ボルト』に加え、コンパクトSUVのデザインコンセプト『ネクソン』、コネクティビティ(つながる)がテーマのコンセプトカー『コネクトネクスト』を公開。コネクトネクストではスマートフォン大手の韓国サムスンと提携している。マーケティング戦略で失敗したナノについては、都会的イメージを強調した『ナノ ツイスト アクティブ コンセプト』で巻き返しを狙う。また、量産は決まっていないが、リチウム電池搭載の小型電気自動車(EV)『マジック アイリス エレクトリック』を展示し、電動化への取り組みを示した。

マヒンドラ&マヒンドラは次世代スポーツタイプ電気自動車『レヴァ ハロー』を公開。設計・開発はインド国内のマヒンドラ・レヴァ・スタジオで行われた。最高速度160km/h、フル充電時の航続距離は200km。インドだけでなく、グローバル市場でEV需要が拡大すると見込んでおり、将来的には量産を目指すとみられる。ただし、現段階では技術力のアピールといった意図が強い。

三輪車(オートリキシャ)最大手のバジャジ・オートは、シザーズドアが印象的な『U-Car』コンセプトを発表。この2シーターは、小型ガソリンエンジンにオートマチックトランスミッションが組み合わされた前輪駆動の次世代都市型モビリティで、2年後をめどに量産される可能性がある。デザインには賛否両論あるようだが、都市部をターゲットとする新しいクルマとして注目される。

SUV/クロスオーバー百花繚乱

今回のオートエキスポでは、ボディタイプでみると、SUV/クロスオーバーの発表が目立った。主な車種は、マルチスズキ『SX4 Sクロス』、先述のタタ『ネクソン』、トヨタ『エティオス クロス』、現代自の新型『サンタフェ』、フィアット『アッヴェントゥーラ』、VW『タイグン』、シボレー『アドラ コンセプト』、ダットサン『redi-GOコンセプト』、ホンダ『XS-1コンセプト』、ルノー『KWID』、双竜自『LIV-1コンセプト』。これらには世界初公開モデルも多く含まれている。

インドを含む新興国市場では近年、SUV/クロスオーバーの人気が高まっており、こうしたトレンドに自動車各社が対応を進めている。SUV/クロスオーバー人気の理由として一般的に挙げられるのは、悪路走行性能(グランドクリアランスが高い)、視線・視点の高さ(優越感?)、ライフスタイルの多様化(レジャーの普及?など)、といった話である。

そういえば、アッヴェントゥーラとエティオス クロス、メルセデス『GLクラス』の展示車両のルーフにはアウトドア用の自転車が載せられていた。デリー周辺の渋滞に幾度となく悩まされた筆者にとっては、インドの富裕層ファミリーが週末に郊外の湖に出かけてサイクリングを楽しむ、そのような光景を想像するのは難しい。インドの人たちはどんな余暇(レジャー)を楽しんでいるのだろうか。今度、サウスデリー出身の友人に質問してみようと思った。

《レスポンス編集部》

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