【ZF ラウンドテーブル】グローバル化にらみ日本メーカーとの取引拡大狙う

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ZFフリードリヒスハーフェンAGの最高経営責任者であるシュテファン・ゾンマー博士
ZFフリードリヒスハーフェンAGの最高経営責任者であるシュテファン・ゾンマー博士 全 3 枚 拡大写真

世界有数の巨大自動車部品サプライヤーのひとつであるZFフリードリヒスハーフェン。その最高経営責任者であるシュテファン・ゾンマー博士が来日し、我々メディアとの記者会見にあたる「メディアラウンドテーブル」が行われた。

「今後、日本の自動車メーカーは、世界においてますます重要な位置を占め、最終的には市場の30%ぐらいを占めるのではないかと思います。我々としましても、そうした日本の自動車メーカーとも、より良く、より強い関係を構築しなければならないと考えています。それは、元々我々が強い生産基盤を持つ、北米地域やヨーロッパにおいて強い関係を持ちたい。また世界各地で、適切な生産設備で適切な製品・サービスを日本のお客様に提供したいと考えています」とゾンマー博士は言う。

2000年の世界自動車部品サプライヤーランキングで20位前後であったZFグループは、2012年には9位までランクアップ。同社はドイツではボッシュ、コンチネンタルに続く3位という規模にまで拡大。急成長を遂げるZFグループとしては、さらなる飛躍のために日本のメーカーとの取り引き拡大が重要と捉えている。

しかし、現状のZFグループの日系企業との取り引きは4億ユーロ(売り上げベース)ほど。年間170億ユーロ以上の売り上げを誇るZFグループとしては、まだまだ小さな数字だ。

しかし、そんな現状を打破できそうな動きが生まれた。それがホンダとの関係だ。ホンダが欧州で発売開始した新型「シビックツアラー」にZF製のアダプティブダンピングが採用されたのだ。

「ここ最近、日本メーカーの系列のしばりが緩くなってきたと感じられるか?」とたずねてみれば、ゾンマー博士は力強く「YES! 我々が感じているとおりです」と答える。

「我々は、幅広い製品群を持っているのが強みであり、認められた理由だと思います。しかし、これからは、日本におけるエンジニアリングをより強化しないといけないと考えてもいます。近くにいて、日本の自動車メーカーが何を考えているのかをより分かるための体制が必要です。それができれば、日本の自動車メーカーが、どんなギャップ(問題)を抱えているのかを把握し、それを埋めることができるのではないでしょうか」と言い、日本にエンジニアリングセンターを開設することを検討中だと明かした。

かつて日本の自動車業界は、自動車メーカーが頂点に立ち、それを系列の部品メーカーが支える垂直統合というスタイルが常識であった。しかし、近年、その縛りはだんだんと緩くなっているのが、今回の取材からも感じとれた。サプライヤー間の国際競争は、今後もさらに激しく厳しいものになってゆくのだろう。

《鈴木ケンイチ》

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