【ダンロップ EC203 試走会】耐摩耗性能17%向上で売上減の心配は?…5つの疑問を投げてみた

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タイヤ技術本部第一技術部 竹本義明氏(左)と同部向井悠氏
タイヤ技術本部第一技術部 竹本義明氏(左)と同部向井悠氏 全 16 枚 拡大写真

住友ゴム・ダンロップは3月6日、2月に発売された低燃費タイヤの新製品『エナセーブ EC203』の試走会を伊豆・修善寺で開催した。開発に携わったタイヤ技術本部第一技術部 竹本義明氏と同部向井悠氏の両名に、素朴な疑問を投げてみた。

(1)EC203は更に進化した転がり抵抗低減とロングライフが2大特長。耐摩耗性能の向上幅はスタンダードパターンの5リブタイプが9%、コンパクト・軽自動車向けの4リブタイプは17%しているという。ならば全てのラインナップを4リブにしてしまえば良いのでは?

向井「タイヤはサイズが異なれば、グリップや剛性のバランスも異なってくる。従来のモデルのEC202でもサイズに応じて4リブ/5リブを用意していたが、細いタイヤの場合、ブロック剛性を得るためにある程度のリブ幅が必要。耐摩耗性では4リブが従来比17%向上となっているが、操縦安定性やウェットグリップなどのトータルの性能面を考えれば太いタイヤは5リブが必要になる」

(2)耐摩耗性が17%も向上(コンパクトカー・軽自動車向けの4リブタイプ)するとなると、タイヤの交換頻度が減り、ひいてはダンロップの売上減につながる心配は考慮しなかった?

竹本「低燃費タイヤにお客様が求めているものを提供することが私たちの第一の使命。当社の調査で“低燃費タイヤに求める性能”を聞いたところ、44.9%の人が“タイヤの性能が長持ちすること”と挙げた。求められている性能を実現して、シェアを積極的にとっていく」

(3)海外への販売はありうる?

向井「企画・設計段階では国内におけるお客様のニーズを満たす、というのが前提にあったが、海外への展開については今後検討していく」

(4)特徴的なトレッドパターンだが、デザインのこだわりは?

向井「排水性や静粛性、剛性確保など、目標として定めた要件を達成することを第一にデザインされているが、中央トレッド部分の曲線サイプ部分は稲穂をイメージした。エナセーブは環境に優しいタイヤという認知を得ており、実際に低燃費やロングライフという特長を備えているので、自然をモチーフにしたデザインも取り入れた」

(5)ダンロップは4年連続の低燃費タイヤ売上ナンバー1とのことだが、5年連続を目指すための新製品としてかなりプレッシャーがあったのでは?

「この勢いを持続していかなければならないので、プレッシャーはあった。開発スタッフだけでなく、検証や営業に携わる担当者も含めて一体となって作り上げた新製品なので自信はある。幸い、EC203発売以来の引き合いは好調で、特に従来モデルのEC202を履かれていたお客様の多くがエナセーブのブランドを信頼してEC203に移行していただいている。ショップの方も積極的にお客様に対してオススメいただいているようで心強い」

《北島友和》

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