『ECOPIA EX20』の試乗会が、西那須野塩原にあるブリジストンのテストコース(プロ―ビンググラウンド)で行われた。試乗会のメインプログラムは、ドライ周回路による比較試乗、ウェットハンドリング路による比較試乗、ウェット路面でのブレーキ比較のデモの3つだった。
このうちウェット路面でのブレーキ比較デモの結果をお伝えする。
ブレーキテストは、ECOPIAの先代モデルとなる『EX10』(ウェット性能のラベリング表示はb)と新製品のEX20(同前a)を装着した同じ車によって行われた。ウェット路面で時速80kmからの停止距離を比較することで、EX20のウェットブレーキ性能を検証するというものだ。使用した車種は、日産『セレナ』とダイハツ『タント』の2車種が利用され、それぞれEX10装着車とEX20装着車が用意され、合計4台の車を順番にテストしていった。ドライバーは、プロービンググラウンのテストドライバーが務めた。
実験結果については、写真を確認してほしいが、コース上の最初のグリーンのパイロンが制動開始位置のマーキングとなる。この位置から20mの地点で再びグリーンのパイロンが設置され、そのあとは1mごとに赤いパイロン、5mごとにグリーンのパイロンが設置される。これによって制動開始から停止位置までのだいたいの距離がわかるようになっている。
まず軽自動車のタントのデモが行われた。EX10を装着したタントの停止距離は約33mとなった。続いてEX20装着のタントは25mより少し手前の位置で停止することができた。その差はおよそ8mだ。軽自動車なら2台分以上短い距離で停止できたことになる。
続いてセレナによるテストだ。EX10は31mくらいの位置で停止した。EX20では、タントとほぼ同じ位置である25m地点の少し手前で停止した。重たいセレナが軽自動車と同じ停止距離というのは、EX20がそれだけブレーキ時の排水性が高く路面との摩擦を確実に生み出しているからだろう。同じ効率で摩擦を生み出すとすれば、より重く、タイヤの接地面積の大きい方がブレーキ力は高くなる。結果として、セレナの重さを打ち消す形で軽自動車とほぼ同じ停止距離となったと思われる。
事前の説明では、EX20はEX10に対して停止距離が12%ほど短くなったというが、試乗会でのデモではおよそ15%の短縮を実現している。軽自動車ならゆうに2台分、ミニバンでも1台分以上手前で停止できるというのは、いざ雨天で急ブレーキとなったときの違いは大きいのではないだろうか。