【三菱 eKスペース 発売】競合調査とマーケットリサーチから生まれた居住空間

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三菱・eKスペース
三菱・eKスペース 全 8 枚 拡大写真

三菱『eKスペース』は、徹底したユーザー調査の結果を踏まえながら、開発は行われたという。

NMKV商品企画グループアシスタントマネージャーの葛西宏樹さんは、「ダイハツ『タント』や、ホンダ『N-BOX』などのスーパーハイトワゴンマーケットは急激な成長を見せている。そこで、国内の販売台数をきちんと維持していくためには、このセグメントのクルマが必要だと判断し開発はスタートした」ときっかけを話す。

国内マーケットの軽自動車のシェアは、「『eKワゴン』などのトールワゴンクラスが6割ほど。次がスーパーハイト系で3割ほどだ。そこで、まずは大きなパイを狙えるeKワゴンを投入し、次にeKスペースを開発すると順序で進めた」と述べる。

開発にあたり葛西さんは、「何が良くてこんなに売れるのかを把握することから始めた」という。「スーパーハイト系ユーザーのところへ訪問し、直接お話を聞いたところ、きわめて満足度の高いクルマだということが分かった」。その内容は、「軽なのに室内がとても広く、そこそこちゃんと走り、しかも、維持費が安い。大人4人が乗っても余裕でどこへでも出かけられる、とても良いクルマだと評価されていた」と分析。

そこで、eKスペースの開発で最も重視すべきは室内の広さとした。「まず広さでちょっとでも他社に負けることがあれば、これは戦いに負けてしまう。広さは絶対条件、エントリーチケットだった」と葛西さん。

次に、ユーザー調査で不満点を掘り返すと、細かいところがいくつか出て来た。その中で最も多かったものは、夏場に後席が暑いことだった。「これはほとんどのユーザーからいわれたので、eKスペースでは、ぜひ良くしたいと思った。スライドドアがあるので、後席の乗車率が高い。その時に、エアコンが効かなかったり、日差しが入って眩しいなど、後席の快適性があまり保てていないような状態はダメだと考え、ここを改善することで、eKスペースの強みになるように開発した」。その結果、ロールサンシェードや、クラス初のリヤサーキュレーター採用につながったのだ。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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