日産アーク、リチウムイオン電池の容量増につながる電子分析に成功

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日産アークの今井英人・デバイス機能解析部長
日産アークの今井英人・デバイス機能解析部長 全 1 枚 拡大写真

各種材料や物質の分析を手掛ける日産アーク(神奈川県横須賀市)は3月13日に、リチウムイオン電池の容量増や長寿命化につながる正極材内部での電子の分析手法を開発したと発表した。

同社の松本隆常務やこの分析技術を担当する今井英人・デバイス機能解析部長が同社で記者会見し、分析技術などを説明した。開発は東京大学、京都大学および大阪府立大学との共同で行った。

X線を用いた分析手法とスーパーコンピューターによる計算を組み合わせ、電池の正極材を構成する各元素から放出される電子の動きや量を把握できるようにした。世界でも初めての分析手法という。

リチウムイオン電池の容量などの性能を高めるには電子の動きを仔細に把握する必要がある。日産アークは今回、次世代の高容量タイプの正極材と期待されている「リチウム過剰系高容量正極材料」での分析に成功した。

今井部長によると、この材料は現在の日産自動車のリチウムイオン電池より「原理的には容量を1.5倍程度に高めることができる」という。日産アークは、直ちに改良型の電池が実用化できるわけではないとしながらも、「更なる高性能バッテリーの開発に向けた大きな一歩」(松本常務)と評価している。日産アークは、日産の総合研究所から分離して1990年に設立され、現在の従業員は90人。

《池原照雄》

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