タイヤ破裂による制御困難を起因とした5人死傷の正面衝突で有罪判決

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2010年11月に三重県大台町内の紀勢自動車道で対向車との正面衝突事故を起こして5人を死傷させたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われている29歳の男に対する判決公判が12日、津地裁で開かれた。裁判所は被告に執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2010年11月29日の午前9時45分ごろ発生している。大台町下三瀬付近のトンネル内(片側1車線の対面通行区間)を走行していた大型トラックが対向車線側へ逸脱して対向の乗用車と正面衝突。立ち往生した2台に対し、後続のワゴン車が追突するなど、車両3台が関係する多重衝突に発展した。最初に衝突した乗用車は大破炎上し、乗っていた4人が死傷。後続車の運転者も軽傷を負っている。

逸脱側のトラックを運転していた男は「トンネル内で路上に落ちていた金属片を踏んで前輪タイヤがバーストし、制御できなくなった」と供述していたが、警察が後に同型のトラックを使って走行実験を3回行ったところ、タイヤがバーストした場合でも早期にブレーキを掛けたり、ハンドルをしっかり保持していれば「逸脱は防げた」という結果となり、男に過失が生じていたと判断。事故から約2年後に自動車運転過失致死傷容疑で逮捕。検察は同罪で起訴していた。

公判でも被告弁護側は「タイヤがバーストした衝撃でブレーキ装置が壊れ、急ブレーキは効かなかった」と主張していたが、12日に開かれた判決公判で津地裁の岩井隆義裁判長は「タイヤのバースト直後に被告が急ブレーキを使用したことで車両の挙動が乱れ、制御不能に陥った」と指摘。被告側の主張を否定した。

裁判長は「被告が適切な運転操作を行えば事故は回避できていた可能性が否めない」と判断。被告に対して禁錮3年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡した。

《石田真一》

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