【トヨタ ノア&ヴォクシー ハイブリッド 試乗】日常域で真価を発揮、街乗りベストなクラス唯一の本格HV

試乗記 国産車
トヨタ・ヴォクシー ハイブリッド
トヨタ・ヴォクシー ハイブリッド 全 16 枚 拡大写真

エアロモデルと4WDの設定がなく(価格UPを避けるため)、ガソリン車との価格差は『ヴォクシー』のVグレード比で37万円、Xグレード比で45万円…。

【画像全16枚】

そんなハイブリッドシステムを『プリウスα』から流用した『ヴォクシー』『ノア』のハイブリッドモデルは、クラス唯一の本格ハイブリッドモデルである。今後、フルモデルチェンジが近いステップワゴンや、現時点で簡易ハイブリッドのS-ハイブリッドを搭載する『セレナ』も追従する可能性があるとはいえ、現時点でクラス最高の23.8km/リットルの燃費性能を誇り、EVモードを備えるのはノア&ヴォクシーだけ。

装備面でのガソリン車との違いはオプティトロンメーターにハイブリッドシステムインジケーターが加わり、シフターがエレクトロシフトマチックとなり、モードスイッチにEVモードがあり、LEDダウンライト、「おくだけ充電」(ハイブリッドV/Gのみ)が装備されるのが主。

ところで、ノアとヴォクシーでは見た目品質に差がある。顔つきは好みとして、個人的に着目しているのがリヤの車名表示。ノアは平凡にシルバーのガーニッシュに薄く刻まれているだけだが、ヴォクシーのほうはシルバーのガーニッシュにブラックメタリックの立体的な文字が刻まれ、カッコ良さ、質感はダントツだ(と思う)。

それはともかく、新型ノア&ヴォクシーのハイブリッドモデルの走りはズバリ、日常域で真価を発揮するキャラクターといえる。

走りだせばハイブリッド感は、例えば同システムを搭載するプリウスαより感じにくい。システム馬力はプリウスαと同じ136ps。もちろん低中速域、街乗りシーンではモーター出力によるトルクのアシストで滑らかでスムーズで静かな加速感を味わせてくれるし、走り方によっては頻繁にEVモードに入る。が、プリウスαより大人2人分(140kg程度)重いこともあって発進直後からエンジンがかかることが多いのだ。

加速性能は日常使いでは不満に感じることはない。しかし高速走行ではかなり穏やか。この車重に1.8リットルのハイブリッドシステムは限界かも…という印象だ。いきおい、アクセルを深く踏み込むとエンジンノイズの室内への侵入がプリウスαより大きめに感じられるのは、ボディー構造の違いによるものと推測できる。

新型ノア&ヴォクシーでは先代G'Sのようなボディー開口部まわりのスポット増し、リヤサス回りのブレース追加が行われている。しかし目的は異なる。先代G'Sはもちろんスポーティーな走りの実現のためだが、新型は剛性面で不利なフラットフロアのネガを解消するためである。結果的に走りの質感&静粛性の向上、荒れた路面での振動軽減は目覚ましく、先代ガソリン車のオーナーならその乗り味の違いに驚くはずだ。

アルミホイールは15インチのみ。それもハイブリッド車専用の軽量ホイールを採用しているため、ホイール剛性はガソリン車の15インチより落ち、レーンチェンジ時や積極的な走りのシーンでの操安性には不利に働くが、そもそもファミリーミニバンでその「違いが分かる」ような走りをしたら乗員からブーイングが出るのは必至。その点はあまり気にしなくていいだろう。

ゆえに、新型ノア&ヴォクシーのハイブリッドモデルは先進感を望み、街乗り中心、エコな走りを身上とするユーザーに向いている。

一方、高速走行の機会が多いなら全域の動力性能に余裕ある、クラス最高の152psを発揮するガソリン車を薦めたい。また、乗り心地、扱いやすさ、コストパフォーマンスで選ぶならガソリンの標準車、15インチタイヤ装着車になると思う。

もちろん、新開発の低床プラットフォームの採用でフロアはスライドドア、荷室部分ともにごく低く、段差がなく、大型犬などのペットの乗降は極めて快適。乗せ場所も自在で、ドッグフレンドリー度の高さは文句なしである(人間の乗降性、荷物の積み下ろしのしやすさも同様)。ハイブリッド車ならではの滑らかかつ静かで穏やかな走行感覚は、犬とドライブするのにもふさわしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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