ディーゼル車に2018年から車載式故障診断システムの装着義務付けを提言…排出ガス後処理装置検討会

自動車 社会 行政

国土交通省と環境省の「排出ガス後処理装置検討会」は、最終報告をまとめた。

ディーゼル重量車の排出ガスは、現行の2009年規制(ポスト新長期規制)より以前に適用されていた2005年規制(新長期規制)適合車のうち、排出ガス後処理装置として「尿素SCRシステム」を搭載したものについて、使用過程で性能が低下してNOxの排出量が増加する事例が、環境省の調査で確認された。

このため、環境省と国交省は、2012年度から研究機関に委嘱して学識経験者等からなる「排出ガス後処理装置検討会」を設置して、原因究明と対策の検討を進めてきた。

昨年3月に公表した中間報告では、性能低下の主な原因は同システムを構成するSCR触媒に未燃HC(炭化水素)が付着する「HC被毒」であると特定するとともに、同システムを昇温すれば被毒が解消し性能が一定程度回復するとした。このため、関係する自動車メーカーに、定期的な昇温を行うよう求めた。

検討会では、その後も引き続き検討を進め、今回、最終報告をまとめた。

最終報告書によると、2005年規制適合車について、関係メーカーによる昇温作業の実施状況と効果を評価した上、自動車メーカーに引き続き対策の実施を求める。

また、2009年規制適合車について調査したところ、一部の車種は、NOxの排出量に若干の増加が見られたものの、排出ガス後処理装置の性能は、使用過程でもほぼ適切に維持されていると判断した。

今後の取り組みとして、2005年規制適合車は、関係メーカーに対して昇温作業の実施率の向上など、積極的な取り組みと、環境省、国交省への実施状況の定期的な報告を求める。

2009年規制適合車は、今後の使用過程で、走行距離が伸びた場合の排出ガス性能について、環境省、国交省と関係メーカーが連携して実測調査を実施することを求めている。

2016年からの次期規制に向けて、自動車メーカーには、今回の報告を参考に、今後の技術開発で排出ガス後処理装置の耐久性確保を図ることを求める。同時に、使用過程での性能維持方策として、各種センサーにより性能低下を検出する高度な車載式故障診断システム(OBDシステム)を2018年から義務付けることを提言。

触媒の性能低下のメカニズムについては、未解明の事項が多いことから、環境省と関係メーカーなどが協力して、引き続き中・長期的な調査研究を実施することを求めている。

《レスポンス編集部》

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