【インタビュー】中国経済減速の危機感をバネにイベントを成功に導く…雅森国際展覧 謝宇総経理

自動車 ビジネス 海外マーケット
中国国際用品展14
中国国際用品展14 全 12 枚 拡大写真

2月下旬、中国・北京の国際展覧センターにおいて、第18回の「中国国際カー用品及びチューニングカー展示会(中国国際用品展:China International Expo for Auto Electronics, Accessories, Tuning, & Car Care Products:CIAACE)」が開催された。主催は雅森国際展覧。今回の出展規模は小間総面積20万平米、出展社は6000ブランドにも及び、20万点の用品展示がおこなわれた。

踊り場にさしかかっているといわれる中国経済だが、自動車アフターマーケットの現状はどうなのか。雅森国際展覧の謝宇総経理にイベントの手応えと中国アフターマーケットの現況について聞いた。

◆市場は厳しいがバイヤーの入場者増でビジネス機会の拡大に貢献

----:イベントを終えて手応えはいかがでしょうか。

謝:2013年は、中国の自動車市場が大きく変化した年。各都市では車両保有に制限を設けるなど、外部環境の変化もあってオートアフター市場は大きく影響を受けた。問屋によっては売上規模が3割が落ちたところも珍しくなく、廃業する企業も増えている。これにともなって、アフター用品の製造メーカーも業績は芳しくないというのが実情だ。

こうした状況もあり、今回のCIAACEは成功させられるかどうかは正直不透明だった。出展社数に関しては、前年比105%という微増だったが、ふたを開けてみるとかなりの盛況で安堵している。特にバイヤー関係者が4割割も増え、出展社も熱意を感じている。

----:中国の景気減速が懸念されているが、その中にあって成功に導くことができた理由は。

謝:これは2つのポイントが理由として挙げられる。まず先ほど申し上げたように、市場的な背景から来場者が伸び悩むのではという危機感を抱いていたので、早い段階から動員促進策を打った。各出展社を見て回ったが、来場者が増えただけではなく、オーダーや商談といった具体的な手応えを感じているようだった。もうひとつの点は、メーカー側が品質向上に励んだ結果だ。

◆大きく変貌を遂げる中国のカーアフターマーケット

----:今年の出展の傾向はありますか。

謝:この3月から、上海ではチャイルドシートの装着が義務づけられ、9月からは中国の認証(中国強制製品認証制度:CCC)を得た製品でなければ販売ができなくなる(編集部注:1年間の猶予期間が設けられている)。このこともあって、チャイルドシートは今回10社以上が出展した。その他の分野としては、カービューティ関連も増えている。環境的にやさしい洗剤の登場や、愛車のファッション性を重視する傾向が出てきていることがこの要因として挙げられるだろう。シートカバーやフロアマットについては非常に多いと思われるかも知れないが、出展社数は減っている。GPS関連、とくにPNDはスマートフォンのナビが無料で登場していることもあり、激減した。その代わり、ドライブレコーダーの参入業者が急速に増えている。また、CRMなどのソリューションサービスが増えてきたことも今年の傾向だと思う。

----:国際政治の世界では日中関係がギクシャクしている。

謝:わたしが思うのは、政治と経済は分けなくてはいけない、ということだ。少なくともアフターの業界においては、日本製品が嫌われるとか、排除されるといったことはない。我々としては、日本企業の誘致も積極的に働きかけていきたいし、カーメイトのように大きなブースを持っている企業もある。日本の製品は欧米よりも商品やサービスが中国の顧客の嗜好に合っている。我々としても便宜を図っていきたい。

----:2012年に雅森国際展覧が立ち上げたウェブサイト「雅森車品網」は、イベント情報だけでなく自動車に関するさまざまな情報やクーポン券を載せるなど、O2Oのトレンド踏まえた内容になっている。

謝:当初の1年目は作り上げることに念頭に置いていた。2年目以降は業界の情報を網羅しようと考えている。現状のアクセスは発展途上だが、それぞれのメーカー側が自発的にニュースの発信やメンテナンスの見積もりなどを出せるようにしている。これに参画する企業が増えればより情報が充実していくだろう。

《北島友和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  5. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る