ボッシュ デナー会長が講演、自動運転研究の進展と課題…第14回シュトゥットガルト国際シンポジウム

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ドイツのアウトバーンでの自動運転のテスト
ドイツのアウトバーンでの自動運転のテスト 全 4 枚 拡大写真

ボッシュは、同社取締役会会長のフォルクマル・デナー氏が3月18日に第14回シュトゥットガルト国際シンポジウム「自動車とエンジン技術」で行った講演の内容を次のように発表した。

デナー氏は、講演の冒頭で「未来の自動車交通のキーワードは、電気駆動、自動運転、コネクティビティだ。自動運転により、交通安全は大幅に向上し、事故件数は減少するだろう。また、交通の流れも改善され、燃費の向上にも寄与することになる」と、自動運転で道路交通の安全性と効率性が向上すると強調。

デナー氏は自動運転の利点を強調するとともに、今後解決しなくてはならない問題点を指摘した。デナー氏は「120万人の命を救えるという見通しは私たちに大きな力を与える」と、全世界で交通事故のために失われている人命の数の多さに言及した。

また、デナー氏は、「ドイツ国内では、交通事故全体のほぼ90%について、ドライバーに原因があるとされており、ドライバーの負担を軽減するシステムがあれば、交通安全を大幅に向上でき、自動運転はモビリティの経済性向上にもつながる。その理由は、あらゆる車両で燃費を向上させることも可能になるからだ。そして、もう1つ忘れてならないことは、自動運転が高齢者のモビリティを助け、社会福祉の向上に貢献することにもなる」と説明。

次いで、デナー氏は自動運転時代が徐々に到来するとの見通しについて「アダプティブ・クルーズ・コントロールにより前走車との車間距離と車速の自動制御が実現して10年以上になる。また、渋滞の中、車速60km/h以下のときに車両を車線内に保ちながら走行する渋滞アシスタントも市場に投入される。こうしたドライバーアシスタンスシステムの機能は徐々に高度化し、ラインナップも多彩になる。遅くとも2020年には、高度な自動運転に必要な技術が成熟期を迎えるだろう。それに続く10年の間に、完全な自動運転が実現すると私たちは予測している」と、述べた。

さらにデナー氏は、「ボッシュの『自動運転』プロジェクトチームは2011年の発足以来、ドイツのシュトゥットガルトと米国のパロアルトで未来の運転技術を開発してきた。2013年初めに、ボッシュは幹線道路で自動運転技術を路上でテストする許可を得ている。ドイツの公道でこの種のシステムのテストが行われるのは初めだった。実際の交通条件下でテストを行ったことで、開発プロセスが大幅に加速化した」と、同社の開発の進展を説明。

最後に、デナー氏は同社が自動運転の実現のために解決しなければならない5つの開発優先目標を以下のように列挙して講演をまとめた。

1.周囲360°の状況を認識できるセンサーコンセプト
2.冗長性のあるシステムアーキテクチャ
3.機能異常が発生した場合やハッキングを受けた場合の信頼性
4.高精度マップデータ
5.法的要求事項

《山内 博》

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