独インフィニオン・テクノロジーズらのMotorBrain、インバーター一体型EV用モーターを新開発…レアアース不使用

エコカー EV
左がインバータを一体化したEVモーター 右はローター
左がインバータを一体化したEVモーター 右はローター 全 1 枚 拡大写真

8日、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズ、シーメンス、ZF、ドレスデン工科大学らが参加している高効率モーターの研究プロジェクト「MotorBrain」は、国際産業技術見本市「ハノーバーメッセ」でインバーター一体型の電気自動車(EV)用モーターを開発したと発表した。

MotorBrainはインフィニオン・テクノロジーズをリーダーとする欧州9カ国の30社および機関からなり、EVの走行距離と安全性を高めるとともに、レアアースへの依存度を引き下げることを目的とした研究を2011年秋から実施している。

今回、開発したモーターは、モーター、ギア、およびインバーターを一体化して小型化するとともに、レアアースを使わないのが特徴。

インバーターは円筒状のモータの手前側に一体化。開発品の大きさは同プロジェクトが発足した2011年当時と比較して4分の3に小型化し、一般的なラップトップPCやノートブック用のバックパックに収まるサイズを実現。質量は全体で77kg未満と当初の90kgから13kg以上軽くなった。

小型化と質量の削減によってEV自体もサイズダウン、さらに効率も高めたことで、出力60kW(80HP)のモーターを搭載した中型車の場合、充電1回当たりの走行距離は現在のEVの平均である150km程度から30~40km伸ばせるという。

高価なレアメタルを使わず、開発品では安価なフェライト磁石を採用。レアメタルに比べて磁気特性は劣るため、その欠点を補うためローターを高回転化して出力を高めたという。

《山内 博》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 顔が激変! BMWの最小SUV『X1』改良新型、ノイエクラッセ導入へ…プロトタイプを初スクープ
  3. ホンダ初のフルサイズ電動バイク『WN7』発表、航続130km…2026年欧州発売へ
  4. 【プジョー 3008 新型試乗】全身鋼のような硬さに満ち溢れる。これが新時代のプジョーか…中村孝仁
  5. プレミア化は必至!?『ランクル』を知り尽くしたトヨタ車体の「ラリー仕様」限定車にSNS歓喜
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る