信越化学、ベトナムにレア・アースマグネットの製造工場を新設

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信越化学グループのレア・アースマグネット生産拠点と製造工程
信越化学グループのレア・アースマグネット生産拠点と製造工程 全 2 枚 拡大写真

信越化学工業は、ベトナムにレア・アースマグネットの製造工場を新設することを決定した。

新工場の生産能力は年産2000tで、設備投資額は約120億円。新工場は、信越化学のベトナムでの子会社であるシンエツ マグネティック マテリアルズ ベトナムが同国ハイフォン市に所有する土地に、2期に分けて建設する。2014年10月に着工し、第1期分は2015年9月に年産1000t、第2期分は2016年9月に年産1000tの工場が完成する予定。

新工場建設の目的は2つあり、第1は生産拠点を複数化し需要家への安定供給を確保することで、第2は自動車用途を中心に拡大が見込まれる需要を着実に取り込むことだ。

レア・アースマグネットの製造工程は、「焼結」と「加工」の2つの工程に大別されるが、これまで信越化学のレア・アースマグネットの生産拠点の中で焼結工程を有しているのは、福井県の武生工場の1拠点だけだった。

今回ベトナムに新設する工場には、武生工場と同じく焼結工程を設ける予定で、同工程を複数化することでリスクの分散を図る。なお、新工場の建設により同社の焼結工程の生産能力は1.5倍程度に増える。

同社は、2012年にベトナムにてレア・アースマグネットの主原料であるレア・アースの分離精製を行うシンエツ マグネティック マテリアルズ ベトナムを設立し、2013年に工場が操業開始している。

新工場はこの分離精製工場に隣接し、同工場から原料の供給を受ける。そして、新工場で生産したレア・アースマグネットは、信越化学が東南アジア諸国に展開している各工場での加工を経て、需要家に出荷される。

レア・アースマグネットは、ハイブリッド車をはじめとする自動車用途や、省エネルギー型のエアコン、ハードディスクドライブなど幅広い用途で使われている。

《山内 博》

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