川崎近海汽船は、2015年3月期~2017年3月期までの「2014年度中期経営計画」を策定した。
近海部門は、船隊の大型化を図ると同時に1万重量トン級の一般貨物船を有効利用する。具体的な営業活動としては、アジア域内での成約を増やすとともに、2014年3月に配置したインド駐在員を活用して遠洋輸送を含め、より広域に営業展開する。
バルク輸送では、船隊整備を進め2万8000重量トンバルカーを6月に投入する。木材輸送、鋼材・雑貨輸送では、積極的な営業展開を行うとともに、積港・揚港の集約による効率配船と減速運航によるコスト低減で収益向上を図る。
内航部門では、不定期船輸送は、既存の顧客との安全・安定輸送を維持しながら、新規顧客・貨物を開拓、市況や荷主の動向に合わせた船隊を整備する。新造船投入を含めた営業活動を進めていく。
定期船輸送では、トラック運転手の人手不足や規制強化による車両不足を背景に海上輸送が見直されている中、北関東地域の高速道路自動車網の利便性を活かし、輸送需要を取り込んでいくため、苫小牧航路に新造大型RORO船を8月に投入し、現在同航路に就航する「勇王丸」を北九州航路に転配して営業スペースを拡大する。
フェリー輸送では、八戸/苫小牧航路は、引続き4隻運航体制を堅持するとともに、大型新鋭船「シルバープリンセス」、「シルバーエイト」を中心とした効果的、積極的な営業活動を行うことでトラック、乗用車、旅客の輸送量を増やす。
新規事業では、2013年10月に海洋支援事業を目的に設立したオフショア・ジャパンのパートナーであるオフショア・オペレーションとともに、オフショア支援船の保有・運航を行い、洋上風力発電などの再生可能エネルギー事業、海洋資源探査・開発事業などをサポートする。
数値目標は2017年3月期に売上高490億円、営業利益37億5000万円、経常利益37億円、純利益24億円を目指す。
また、近海部門、内航部門および新規事業における新造船建造などに対する投資規模は、3年間で総額135億円を予定している。これを含めた全体の投資計画は2014年度が5024億円、2015年度が4087億円、2016年度が4431億円。
計画期間中の新造予定船は、近海部門が一般貨物船船2隻、内航部門がRORO船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻、旅客フェリー1隻のほか、新規事業としてオフショア支援船を共有船で調達する。