【MINI クーパー 試乗】3つの走行モードで、「おっ」と変わる走り…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
新型 MINI クーパー
新型 MINI クーパー 全 4 枚 拡大写真

『ミニ』のよさは、軸足がぶれないところだと思う。

視界にしろ乗り心地にしろ、いまの価値感でよかれとされるものを追求すれば違うものになったはずなのに、相変わらずフロントウィンドウは立っていて、信号で先頭に止まったら見上げる位置にある信号が見えにくいし、ルームミラーが視界を遮るし。スイッチも使いやすさよりデザイン優先。乗り心地もしっとり滑らかというよりは、ちょっとガタピシ感が残る、独特のものになっている。

ミニのデザインは、期待を裏切らない。3代目になってかなり手を加えられているというのに、全体のイメージはやっぱり「あのミニ」である。インテリアも同じ。おもちゃ箱の中に入ったようなわくわく感。でも、ちょっと大人になったと思うのは、いままでセンターパネルにどかーんと、ある意味無駄に大きく、柱時計かと見まごうばかりだったスピードメータが、3代目ではナビやらウェブ情報やらのインフォメーション伝達ツールとしての画面が組み込まれたことだ。

乗り心地は硬く、振動が乗り手の骨に響いてくる感じ。ただ、雑という硬さではなく、味付けとしてあえてこの振動を演出している。ミニといえば、やっぱりこのいい意味での「ガタピシ感」なのである。ハンドルをきったときの素直で安定感のある走りは気持ちよく、シフトレバーを「Sモード」に倒したときに、シフトチェンジのタイミングが変わり、スポーティさがアップする。加えて、「ミニ・ドライビングモード」を使ってスイッチでノーマル走行から、燃費走りの「グリーン」と元気な「スポーツモード」に切り替えれば、100人中100人が、おっと思うほど乗り心地が変わる。ほんとに「おっ」なのだ。まるで違うクルマに乗っているよう?いや、ハンドルを握ると人格が変わる自分を、楽しませてもらっている気分である。

所有して楽しいミニ。走らせて楽しめるミニ。そして、仲間と話題を共有できる、わかりやすいミニ。3代目もそうしたポイントはしっかり押さえている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞 るみこ │ モータージャーナリスト/ノンフィクション作家
女性誌や一般誌、ラジオなどで活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーと、救急医療を通じて衝突安全を中心に取材をするほか、近年はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  3. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  4. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る