【BMW X6 M 試乗】フラットなライド感と強烈な加速感…松下宏

試乗記 国産車
BMW・X6 M
BMW・X6 M 全 12 枚 拡大写真

BMW M社製のスポーツモデルは、最近ではSUVならぬSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)にも設定されるようになった。

外観デザインは『X6』を名乗るだけに流れるようなルーフラインが特徴。それだけならX6と変わらないが、『X6 M』では大きな開口部を持つバンパーやディヒューザー効果を持たせたリヤバンパー、前後異サイズの20インチタイヤなどによって、標準のX6との差別化が図られている。

内装も基本デザインはX6のものだが、試乗車にはホワイトの本革シートが装着されていたほか、カーボン製のトリムなどもオプション装着されていて、標準車との違いが明確だった。

搭載エンジンはV型8気筒4.4リットルのツインターボ仕様で、408kW/650N・mの圧倒的な動力性能を発揮する。このエンジンは2380kgもあるX6Mのボディをわずか4.7秒で時速100kmに到達させるだけの実力を持つ。

アクセルを踏み込んだ瞬間に、ターボラグを感じさせることなしに、背中をけられるような強烈な加速が盛り上がってくる。加速感は強烈なものだが、エンジンの吹き上がりはとても滑らかなものなので、洗練された速さといっても良い。

電子制御ATはBMWの標準仕様である8速ATではなく6速だが、低速ギアで引っ張って力強い加速感を強調するスポーツモードと、早めにシフトアップしてエンジン回転を抑えるエフィシェントモードが用意されている。ふだんはこのモードで走れば良いだろう。それでも十分に速い。

20インチタイヤを履いた足回りは、かなり硬めの印象だ。特に低速で乗り心地の硬さが気になった。逆にある程度の速度域に達すると、硬さが気にならなくなってフラットなライド感覚の良さが伝わってくる。

レーンチェンジを試しても、クルマが少しもロールすることなく、路面に張りついたようにして車線を変えていく。BMWのSAVは全体にこうした感覚の走りを実現するが、スポーツモデルの頂点ともいえるX6Mではそれが一段と明確なものになる。

価格は1495万円で、試乗車には30万円ほどのオプションが装着されていた。この価格帯のクルマだから走りのパフォーマンスに優れるのは当然だが、プレミアムSUVの中でも注目される1台であるのは間違いない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. いつでもビーチ気分! 夏仕様のSUV『ハバナ』が30台限定で登場、499万円から
  3. スズキ『エブリイ』が災害時は「シェルター」に、軽キャンピングカーの新たな可能性
  4. メルセデスベンツ『CLA』新型、第4世代「MBUX」にセレンスの会話型AI技術搭載
  5. 世界最強の2.0ターボ搭載車に幕、メルセデスAMG『CLA 45 S』最終モデルが登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る