フォード初となるBセグメントSUVが『エコスポーツ』である。エコはコンパクトカーであることを示すキーワードだ。
さて、このエコスポーツ。『フィエスタ』とプラットフォームを共有するモデルで、フォードのSUVのなかではもっとも小さく、『クーガ』よりも全長で345mm、全幅で75mm、全高で50mmコンパクトにパッケージングされている。日本に導入されるモデルは、1.5リットルのエンジンを搭載するFFで、ミッションは6速のDCT。つまり、デュアルクラッチ式のロボATだ。
このDCTはできがよく、発進時にショックや出遅れを感じることがない。スムーズでダイレクト感にあふれる動きが可能で、自然なドライビングを実現できる。
1.5リットル自然吸気のエンジンは111馬力。けっしてパワフルと呼べるスペックではないが、ミッションによるロスなどが最小限に抑えられているため、必要にして十分なパワーがアウトプットされている。さらに吸排気で独立した可変バルブタイミングを採用したことで、スムーズなレスポンスを実現。気持ちのいいアクセルワークができる。
180mmというグランドクリアランスを与えられた足まわりはゆったりとした乗り心地を実現。FFではあるものの、タイヤを選べばラフロードもそこそこいけるだろう。サスペンションストロークが長いので、ハンドリングには適度なゆるさがあるが、その根底にはフィエスタ譲りのしっかりさもある。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。