【人とくるまのテクノロジー展2014】日本TI、ADASデータを高速処理するSoCと、DLP技術活かしたHUDを出展

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サラウンドビューと前方の画像を並行処理しても負担はかなり少ないことをデモ
サラウンドビューと前方の画像を並行処理しても負担はかなり少ないことをデモ 全 10 枚 拡大写真
日本テキサス・インスツルメント(日本TI)は、「人とくるまのテクノロジー展2014」において先進運転支援システム(ADAS)などに向けた高性能な新型SoC(System-on-Chip)ファミリ『TDA2x』や、DLPを使ったヘッドアップディスプレイ(HUD)の技術展示を行った。

『TDA2x』は、汎用プロセシングコアを低消費電力動作で統合したことで、フロントカメラ、サラウンドビュー、および様々なセンサー類など幅広い先進運転支援システム(ADAS)アプリを実現する特徴を持つ。このチップを利用することで、ADASアプリを共通のアーキテクチャー下で使えることから、たとえば、ハイビームアシストや車線追従アシスト、先進クルーズコントロール、歩行者/物体検知、衝突回避など、フロントカメラを使った様々なアプリも同時に実行することができるという。

展示では、複数のカメラを使ったサラウンドビューを行いながら、フロントカメラで検知した歩行者/物体検知を実行するデモを実施。複数のカメラで捉えた映像を合成する能力と、前方の障害物を捉えて処理する高い処理能力をモニター上で証明してみせた。さらに、これだけの処理を行っても、マルチコアの一部しか負荷がかかっておらず、処理能力にまだまだ余裕のあることも伝えていた。

DLPを使ったヘッドアップディスプレイは、プロジェクターなどで培ったノウハウを元に、高輝度投射を可能にしたもの。DLPは電力の割に高輝度な映像を投影できる特徴を持ちながら、能力としてはフロントガラス全面に投射することも可能だという。さらに液晶とは違って偏光板を通さないため、偏光サングラスをかけた状態でも視認できる。その意味でサングラスを使用して乗車することが多い自動車用途にとくに向いているとする。

今回出展したものは小型プロジェクターを使ったコンパクトなシステムだが、輝度そのものは大型ものとそれほど変わらない。逆に輝度が高すぎるためにNDフィルターを間に挟んでデモを行っているほどだという。投影された表示はフルカラーで鮮明そのもの。まだ開発途上であるため採用例はないが、今後HUDがフルカラー表示に向かう中で有望視されることは間違いない。

《会田肇》

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