ドイツの樹脂部品メーカー、イグスが創立50周年、およびイグリデュールと名付けた樹脂軸受の開発30周年を記念して実施している世界ツアーの5か国・地域めとなる日本での旅が5月28日から始まった。
この世界ツアーは同社の樹脂軸受の実力を実証するために企画され、『スマート フォーツー カブリオ』をベースにした車両を使って2014年2月から14カ月かけて世界32か国を走破するというもの。
日本でのツアー開始を前に同日会見した日本法人の北川邦彦社長は「シートアジャスター、コンバーチブルトップのリンク機構および開閉装置、サイドブレーキ、ブレーキペダル、シフトレバー、ウィンドーリフター、ワイパーリンク、オルタネーター、スロットルボディなど合計56カ所にイグスの樹脂軸受を使っている」と説明した。
北川社長によると、もともとスマート フォーツー カブリオには30か所以上にイグスの樹脂軸受が使われているが、今回さらに56カ所をイグスの軸受に変えたことで、約90か所に使われることになる。
またイグスの樹脂軸受の特徴について「無潤滑油で使用することができ、錆ることもないし、メインテナンスも不要。また金属の7分の1の重量で、射出成形プラスチックのため大量に造ることでコストメリットが得られる」と述べた。
さらに「プラスチックでありながら電気を通すものや、半田ごてをあてても溶けないような高温に耐えるもの、日本の食品衛生法の試験にも合格するほどの実際に食品にふれても一切有害なものが出てこないものなど非常に特殊なプラスチックを造っている。素材自体を我々が合成して造ることができるのが大きな強みになっている」と強調した。
日本でのツアーは5月28日に東京をスタートし、いったん九州まで南下した後、再び東北まで北上し、最終的には同社の栃木工場までの約4000kmを走破し、6月17日には次の訪問国であるブラジルに向かうという。