【新聞ウォッチ】トヨタ、燃料電池車「年内にも発売」前倒し報道のウラ事情

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トヨタ FCVコンセプト(参考画像)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年6月5日付

●STAP論文 理研内の検証 機能せず、自己点検報告書案,保秘優先、笹井氏を指弾(読売・1面)

●出生数最少102万9800人、昨年103万人割る、出生率は改善1.43(読売・1面)

●燃料電池車年末にも市販、トヨタ検討、他社に先行狙う(朝日・11面)

●ガソリン166円、6週連続値上がり(朝日・9面)

●クボタ社長がホテルで急死、東京へ出張中(毎日・27面)

●開幕まで1週間、セナ没後20年ブラジル再び1つに(産経・3面)

●米新車販売11.4%増、5月10年ぶり160万台超え (産経・10面)

●法人税トヨタ6年ぶり納税、赤字繰り越しで免除 (東京・7面)

●トヨタなど全14社統一、汎用部品の仕様、コスト削減(日経・1面)

●富士重の新型車カーシェアに、三井物産系、発売日から(日経・11面)

●デンソーが公道実験、自動運転支援センサー技術確認 (日経・13面)

●ホンダ、中国販売10%増、新車5月、新型セダン好調(日経・31面)

ひとくちコメント

「いつ出すの?」と、テレビによく出演する予備校講師なら「今でしょ」といいそうだが、トヨタ自動車が「究極のエコカー」とされる燃料電池車(FCV)を、今年末にも国内で市販する方向で検討しているという。

きょう朝日が経済面のトップ記事で「世界の自動車メーカーに先駆けて売り出し、市場の開拓でリードをねらう」などと、大きく取り上げている。

トヨタでは、これまでFCVについては「2015年中に日本、米国、欧州での発売を予定している」というのが公式の場での説明。だが、すでに、5月29日付の日経朝刊が「燃料電池車官民で連携、規制緩和、走行2割長く、輸出もしやすく、トヨタ、年内にも市販」というタイトルで、2014年12月に前倒す可能性があると報じたほか、東京も6月4日の朝刊で「FCVのセダンを12月にも発売する」と追随する記事を掲載した。

記事によると、「愛知県豊田市の元町工場で年内にもセダン型の生産を始める準備を進めており、市販の時期は今年12月から来年1月を軸に検討している。生産は月100台前後とする予定だ」(朝日)という。

ただ、「発売時期は最終的に、国の普及支援策などを見極めて決める考え。販売地域は、燃料を供給する水素ステーションがある首都圏や大阪、名古屋、福岡圏が中心で、価格は1000万円を切る見通しだ」とも伝えている。

「民間投資を喚起する成長戦略」というアベノミックスの「3本の矢」にはFCVの普及に向けた取り組みが盛り込まれており、政府は水素ステーションの整備費を補助して、2015年までに全国で1000か所に増やす計画などをぶち上げている。

トヨタが発売を早める背景には「水素ステーションの整備や購入補助などで、行政からさらに支援を引き出したい思惑もある」(朝日)。 それに日経などがいち早く「前倒し」の記事を取り上げたわけで、アベノミックスならぬ” メディアミックス”ともいえる報道ぶりである。

《福田俊之》

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