東レは6月17日、低摩擦素材であるフッ素繊維トヨフロンと高剛性繊維を組み合わせることで、超高圧力下にも対応できる高耐久摺動テキスタイルを開発したと発表した。
新素材は、低摩擦性を保持しつつ、耐摩耗性にも優れていることから、機械装置等を滑らせながら動かす部品に用いる滑り材(摺動(しゅうどう)材)として最適。東レでは今後、この特徴を活かして、自動車や航空機、風力発電機、産業用機械、建設機械、ベアリング等に用途展開を拡大していく。
今回開発した高耐久摺動テキスタイルは、優れた低摩擦性を持つフッ素繊維トヨフロンと高剛性繊維を組み合わせて二重構造テキスタイルとして複合化したもの。高剛性繊維を高密度に織る同社の先端テキスタイル技術を駆使することで、これまで摺動部位と接触を繰り返すことで飛散していたフッ素繊維の粉塵をテキスタイルの中に蓄積させ、潤滑層を形成させることに成功。低摩擦性と高耐久性の両立を実現し、従来のフッ素繊維トヨフロンのみを使用したテキスタイルに比べ、100倍以上の耐摩耗性を実現する。
高耐久テキスタイルを用いることで、製品の小型化・軽量化や高性能化に伴う摺動部の面積削減による高面圧化や、フリーメンテナンスでの高寿命化に対応することが可能となる。既にこの特徴を活かした高耐久摺動テキスタイルが、新日鉄住金エンジニアリングの免震装置に採用されることが決まっている。