【マセラティ クアトロポルテ 試乗】高級セダンらしからぬ過激な加速性能備えたモデル…松下宏

試乗記 輸入車
マセラティ・クワトロポルテ
マセラティ・クワトロポルテ 全 14 枚 拡大写真

『クアトロポルテ』のボディは堂々としたものだ。全長は5mを超え、全幅も2mに近く、高級セダンらしい力強さを表現する。マセラティの文法に従い、フロントグリルに対してヘッドライトがやや高めの位置に配置され、グリル内には大きなトライデントのエンブレムを備えている。

【画像全14枚】

インテリアは職人芸による入念な作り込みが感じられ、本革シートや木目パネル、アナログ時計などによってラグジュアリーな雰囲気が表現されている。運転席に座ると、適度なタイト感とともに、ラグジュアリーさとスポーティさを融合したコクピットがある。

エンジンを始動させると、軽く空吹かしが入る。従来の自然吸気のV型8気筒エンジンが大きな咆哮(ほうこう)を上げたのに比べると、ターボ仕様エンジンを搭載するようになった最新のクアトロポルテではやや控えめな感じである。

搭載エンジンはV型8気筒3.8リットルのツインターボ仕様で、390kW/650N・mの強大なパワー&トルクを発生する。スポーツモードを選んだときのオーバーブースト時にはトルクが710N・mにまで高まる。

ターボによるトルクが低速から働くので、どんな速度域からでもアクセルを踏み込めばすぐに力強い加速が得られる。ラグジュアリーな4ドアセダンには似合わないような過激な加速感だ。

電子制御8速ATは滑らかそのもので、Dレンジのままで走らせると、何速ギアで走っている分からないような変速になる。日本の道路交通環境の中ではなかなか8速にまで入らないのだが、それも気にならないくらいの滑らかさだ。

積極的にマニュアル操作をして走れば、シフトダウン時には軽くブリッピングが入って回転を合わせてくれる。パドルを操作するだけで、とんとんとシフトダウンしていく。

足回りは相当に硬めの印象。オプションの20インチタイヤを履いていたこともあって、低速域では特に硬めな感じを受けた。一定の速度で走ると、高架道路の継ぎ目などもさほど気にならなくなるから、高速ツーリングを重視した味付けである。

試乗車の価格は1769万円。これに高級オーディオや専用ボディカラー、アルカンターラのルーフライニングなどなど、いろいろなオプションが装着されて2000万円に近い仕様になっていた。ドイツ製の高級車とは違う、個性的な高級車を求める人向けのクルマである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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