【スバル レヴォーグ 2.0GT-S 試乗】 レガシィ ツーリングワゴン GTの正当な継承者…諸星陽一

試乗記 国産車
スバル・レヴォーグ 2.0GT-S EyeSight
スバル・レヴォーグ 2.0GT-S EyeSight 全 10 枚 拡大写真

話題のスバル新型ワゴン、『レヴォーグ』は『レガシィ ツーリングワゴン』GTを彷彿とさせるスポーティなモデルだった。

【画像全10枚】

スバルはレヴォーグの発売にあわせて、レガシィ ツーリングワゴンを廃止した。これは販売戦略を含めて、さまざまな思いがあってのこと。たしかにレガシィ ツーリングワゴンはなくなってしまったのだが、そのDNAはレヴォーグに見事に受け継がれていた。

そもそもしっかりと実用性を備えたワゴンがレガシィの魅力であり、ワゴンでありながら走りに妥協しないところがGT系の魅力であった。そうした意味からもレヴォーグ 2.0GT-Sはレガシィ GT系の正当な継承者であると言っていい。

まず2リットルターボで300馬力を発生するエンジン。リッター150馬力という出力は、『インプレッサ WRX STI』に迫る高出力。エンジン出力を中心にクルマの性能を調整するSiドライブでもっともスポーティな「S#」を選択すれば、3000回転あたりからググッとパワーを増すターボエンジンらしいフィーリングを満喫できる。さらにこのSiドライブを「I」(インテリジェント)モードにすれば、燃費を重視したセッティングとなり、高速移動時や渋滞路などでの燃費を稼げるほか、アクセルレスポンスも適度に緩くなり、ツーリングにピッタリのフィーリングを実現している。

GT-Sの足まわりにはビルシュタインのダンパーと18インチのタイヤが装着されている。この組み合わせから得られるハンドリングはたいへんスポーティで、峠道ではスパスパとクルマの向きが変わり、気持ちのいいドライビングを楽しめる。また、高速道路でも比較的どっしりとした走りができ、車線変更時の動きもクイックで気持ちいい。

唯一の弱点はアクティブレーンキープとの相性。意志を持ってのステアリング操作ではクイックなハンドリングが気持ちいいのだが、自分の意志とは関係なく動くアクティブレーンキープの修正舵では、若干反応がよすぎてドライバーが落ち着いてシートに座っていられない。タイヤの初期応答性をダウンさせるか、アクティブレーンキープの舵の入れ方に一工夫するか、といった印象。

しかし、全体としてスバルらしいクルマに仕上がっているのは間違いない。なによりもレガシィ GTのような走りもユーティリティも期待を大きく上まわるクルマで、従来のスバルファンはもちろん、新しいファンもたくさん獲得することは間違いなさそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【シトロエン ベルランゴ 新型試乗】室内も走りも、シトロエンらしい“心地いい系”…島崎七生人
  2. MASERATI 111th “永続する美と走り”をいま、あなたの週末へ。PR
  3. 「さすが私が欲しいバイク」ヤマハの原付二種スポーツ『XSR125』が「バイクオブザイヤー2025」に、SNSではファン興奮
  4. 「次に必要なものを、いま創る」3Mが描く、素材から変えるモビリティの未来PR
  5. 「日本バイクオブザイヤー2025」大賞はヤマハ『XSR125』、人気投票で決定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る