【テクノフロンティア14】ワイヤレス充電がEV需要を加速させるか…実用化への道筋[後編]

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IHIのワイヤレス充電システム。実際には車体の前後方向から送電コイルの上に駐車する
IHIのワイヤレス充電システム。実際には車体の前後方向から送電コイルの上に駐車する 全 3 枚 拡大写真
EV普及に対する刺激策として期待したいのが充電設備設置への補助金による後押しと、ワイヤレス充電設備の実用化だ。「テクノフロンティア2014」では、ダイヘンを筆頭に、ワイヤレス充電装置に関する出展を数多く見かけた。一方で、ワイヤレス充電システムの課題は、システム効率の低さである。

プラグインであれば、送電と受電の効率はほぼ100であるのに対し、ワイヤレスは電磁誘導による損失だけでなく、送受電コイルに伝わる交流を直流へと変換するための損失がある。ワイヤレス給電システムのメーカーによっては受電側で直流へと変換する際にバッテリーのシステム電圧に合わせることでDC-DCコンバータを不要として、その分効率を上げることを提案しているところもある。

一方、最も実用化に近づいていると言われるIHIのブースでは、実証実験が行われているワイヤレス給電のイメージ展示があった。同社は三井ホーム(車両は三菱車を使用)と、ホンダの2種類のスマートホームにワイヤレス充電システムの実証実験を続けており、これまでに十分な成果を上げている。

現在のところ同社のワイヤレス充電システムのシステム効率は85%ほどとなっている。では送受電コイルの位置ズレに対しては、どのような対策を施しているのだろうか。

「10cmから20cm程度の位置ズレは想定内です。前後方向の位置決めは車輪止めで行なえますし、位置を掴みやすくするためにも送電コイル側のユニットを大きめにしているんですよ」

そう語るのは、IHI技術開発本部インキュベーションセンター主任研究員の中島氏だ。

「大電流による急速充電には対応できないなど、ワイヤレス充電にも弱点はありますが一般家庭での使い勝手は格段に向上するので、実用化されればEVの普及に弾みがつくと思っています。現在の実証実験を踏まえて、2017年頃からワイヤレス充電システムを搭載したEVが販売されるようになるのでは、と予想しています」(中島氏)

さらに東北大学と昭和飛行機工業の合同ブースには、トヨタ車体のマイクロEV、コムスにワイヤレス充電装置を組み合わせたシステムが展示されていた。これは昭和飛行機工業が充電装置を提供し、東北大学で実験を行うもので、これから実証実験を始めるそうだ。

気になるシステム効率だが、現在のところ充電効率は80%ほどだとか。昭和飛行機工業は、早稲田大学のEVバスのワイヤレス充電システムも手がけており、これまでにもかなりの実績がある。

実力のあるメーカーが実証実験で成果を上げつつある。ワイヤレス充電で利便性を高めれば、EVの人気も今よりも高まりそうだ。

《高根英幸》

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