【ルノー キャプチャー インテンス 試乗】「よれ」も懐の深さに変えるルノー・マジック…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
ルノー キャプチャー  インテンス
ルノー キャプチャー インテンス 全 8 枚 拡大写真

まいったなあ。走りはじめたとたん、ぐにゃりとする乗り心地に、全身が一瞬、拒絶反応を見せる。クルマたるもの、ボディ剛性が大事だというのに、なんなのだ、このガタガタでよれよれな感じは。

頭のなかで理論と理屈があふれだし、『キャプチャー』に「ノー」を突きつけようとする。ところが高速道路に入り、速度を上げたとたん評価は一変する。ぴたっと路面に吸い付くような乗り心地。うねりを見事にいなし、さりげなく、そして見事に揺れを吸収していく。先ほどまで感じていた「よれ」は、懐の深さへと変貌し、ハンドル操作の誤差を頼もしいほどに受け止めてくれる。これが、ルノー・マジックである。

ベースになっているのは『ルーテシア』。フランスの石畳と、気合と根性とサスペンションのよさがなければ最短距離で走り抜けられない、フランスのラウンドアバウトで鍛えられた乗り心地である。1.2リットルターボのエンジンは、ターボラグを感じさせないスムーズなトルクの出方で、街中から高速までまったくストレスなく走ることができる。いや、このサスペンションの仕上がりに実によくあっているトルクの出方だといえるだろう。ミッションは、欧州で流行中のツインクラッチ。燃費に貢献する優れものは、ATやCVTに慣れた日本のユーザーでも、違和感なく使いこなせるはずだ。

色使いのかわいさも、フレンチの魅力。試乗したツートーンは、屋根の白がポップで華やか。ドアを開けたときに目に入るシートのオレンジも鮮やかで、ビタミンカラーが元気をくれること間違いなし。理屈や条件も大切だけど、楽しくて気持ちいいという物差しならば、キャプチャーは文句なく五つ星である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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