鉄道の災害運休区間は約22km減…7月末

鉄道 企業動向
7月末時点の自然災害運休区間。三江線の全線再開で運休距離は約50km減少するはずだったが、台風8号による運休区間の増加で実際は約22kmの減少にとどまった。
7月末時点の自然災害運休区間。三江線の全線再開で運休距離は約50km減少するはずだったが、台風8号による運休区間の増加で実際は約22kmの減少にとどまった。 全 2 枚 拡大写真

自然災害による鉄道路線の運休区間は、7月末時点で4社13線14区間。合計距離は364.2kmとなった。

2013年夏の水害で運休が続いていた三江線が全線の運転を再開し、運休距離は6月末に比べ約50km減少するはずだった。しかし、台風8号による大雨の影響で橋桁流失などの被害が相次ぎ、現在も磐越西線と中央本線の一部区間が運休中。運休距離は21.9kmの減少にとどまった。

8月は台風8号水害による運休区間のほか、2013年夏の水害による運休区間も全て解消される見込み。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。JR東日本はバス高速輸送システム(BRT)による仮復旧の意向を示したが、鉄道による早期再開を求める沿線自治体との間で交渉が難航。JR東日本は1月31日、同社が線路施設を復旧し、復旧後の運行は三陸鉄道に移管する案を沿線自治体に示しており、赤字補てんの方法などをJR東日本と沿線自治体が協議している。岩手県は宮古~豊間根間15.4kmと鵜住居~釜石間8.3kmの優先復旧を視野にJR東日本と協議を進める方針。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城・岩手県) 43.7km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2013年3月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2012年8月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

■JR東日本 石巻線 浦宿~女川(宮城県) 2.5km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2015年春の再開を目指す。終点の女川駅は内陸側に移設する。

■JR東日本 仙石線 高城町~陸前小野(宮城県) 11.7km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。ルートを内陸側に移設した上で2015年6月まで再開する予定。

■JR東日本 磐越西線 喜多方~山都(福島県) 9.9km
台風8号による大雨の影響で線路に土砂が流入するなどの被害が発生。8月上旬頃に再開の見込み。

■JR東日本 常磐線 竜田~原ノ町(福島県) 46.0km
東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響で運休中。このうち夜ノ森・大野・双葉各駅が帰還困難区域に入っており、被害調査もほとんど行われていない。富岡・浪江・桃内・磐城太田各駅は避難指示解除準備区域に移行している。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島・宮城県) 22.6km
東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。ルートを内陸側に移設した上で2017年春にも再開する予定。新ルートは用地買収が進んでおり、5月から線路の工事に着手している。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月の豪雨で橋桁が流失するなどの被害。この区間はもともと利用者が極度に少なく、JR東日本も復旧の可否について「総合的に検討を進め」るとしており、復旧のめどは立っていない。2013年11月には沿線自治体の市町村長らで構成される復興推進会議が発足している。

■JR東海 中央本線 坂下~上松(岐阜・長野県) 19.2km
台風8号による大雨の影響で橋りょうが流失するなどの被害が発生。JR東海は8月6日の再開を目指すとする一方、台風の状況などをみながら8月4日に改めて案内するとしている。

■JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
2009年10月の台風18号により橋台の流失や土砂の流入などが発生。JR東海は当初、鉄道を廃止する方針を示していたが、関係自治体が鉄道施設周辺の治山事業などを実施することを条件に復旧の方針に転換した。2015年度内の再開が予定されている。

■信楽高原鐵道 信楽線 貴生川~信楽(滋賀県) 14.7km
2013年9月の台風18号による大雨で橋桁が一部流失し、全線運休中。一時は廃止の可能性も取りざたされていたが、滋賀県の支援や国の補助により再開に向けて動き出し、現在復旧工事が進められている。12月までに再開する模様。

■JR西日本 山陰本線 須佐~奈古(山口県) 19.8km
2013年7月の豪雨で橋脚の沈下などが発生。その後復旧工事が進められ、8月10日に再開する見込み。

■JR西日本 山口線 地福~津和野(山口・島根県) 19.0km
2013年7月の豪雨で橋脚の沈下などが発生。その後復旧工事が進められ、8月23日に再開する見込み。

◎(再開)JR西日本 三江線 江津~浜原(島根県) 50.1km
2013年8月に発生した豪雨の影響で橋脚が流失するなどの被害。同年11月から復旧工事が始まり、今年7月19日に再開した。

◎(再開)(参考)岡本製作所 別府ラクテンチケーブル線 雲泉寺~乙原(大分県) 0.3km
3月22日の運転中に非常ブレーキが作動して停止。翌23日から運休が続いていたが、7月11日に再開した。当初は7月9日に再開する予定だったが、台風8号の影響により再開が2日遅れた。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 「赤色くるー!!」2026年モデルのカワサキ『エリミネーター』に熱視線!新カラー&グラフィック追加へ
  5. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る