モバイル端末のビジネス活用、経営トップの意志介入が成否を分ける…アクセンチュア調査

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モバイル端末のビジネス活用、経営トップの意志介入が成否を分ける…アクセンチュア調査
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7月30日、アクセンチュアが発表した「企業のモビリティ活用」に関する調査結果によると、「日本企業のデジタルテクノロジーに対する関心、特にモビリティに対する関心はグローバルと比較して高い」(アクセンチュア戦略コンサルティング本部マネジングディレクター 清水新氏)傾向が読み取れるという。

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調査は、2013年12月から2014年1月にかけて日本の回答者100名を含む世界13ヶ国1475名の企業経営幹部(CIO、CMO、CTO、テクノロジー/IT部門ディレクター、チーフモビリティオフィサー)に対してオンラインで実施した。

◆モビリティの適用は「フロント領域に偏り、バリューチェーン全体で活用する意識が低い」

モビリティを “どの領域へ活用することに関心があるのか”を測るところでは、日本企業が次年度に予定しているモビリティ適用領域として優先度が高い(複数回答可、7段階評価で5以上)項目が何点か挙がった。

toC領域では「アナリティクスによって、顧客に関するより深い洞察を得る」「これまでアクセスできなかった、新たな市場へリーチする」がともに67%。「モバイル特有の商品やサービスを提供する」と回答した企業が65%だった。

toB領域では「フィールド特有サービスや顧客サービスを、リアルタイムデータによって改善する」が75%「セールスサイクル改善のために、バックエンドシステムへのアクセスを提供する」「収集したデータから得られた示唆を、商品やサービスの改善に利用する」が65%という結果になった。アクセンチュア戦略コンサルティング本部マネジングディレクター 清水新氏は調査結果を受けて「日本ではモバイルはフロントエンドのものと捉えられていて、クロスファンクショナルな戦略となっていない可能性がある」とコメント。

全体としてみると、日本企業の多くがモビリティをはじめとするテクノロジーによって、顧客接点強化や自社製品・サービスの改善だけでなく、新規ビジネス創出や新たな市場進出に意欲的であることがわかるという。

◆モビリティは投資にみあった価値をうみだすのか “2%は200%以上のROIを達成”

では、モビリティ活用への投資はどのくらいのリターンを得ているのか。その結果は以下。

「過去2年間に行った投資から既に51~100%の範囲ではリターンを回収済み」という企業は日本、グローバルともに26%。「過去2年間に行った投資から既に、100%以上のリターンを回収済み」と回答した企業は日本が4%、グローバルでは10%。そして「過去2年間に行った投資から既に、200%以上のリターンを回収済み」と回答した企業は日本は0%だったが、グローバルでは2%と、わずかながら存在する。

清水氏は、全体の2%ながら「過去2年間に行った投資から既に200%以上のリターンを回収済み」の企業が存在することに着目し、“デジタル化先進企業”とカテゴライズした上で、その特徴として「戦略策定への経営陣の関与」「戦略実行と推進体制の整備」「モニタリングと俊敏な軌道修正」という3点を指摘した。

◆ROI高い企業在籍国との違いは…“デジタル改革もCEOが舵切りを”

「 戦略策定への経営陣の関与」の点については、清水氏によると「200%以上のROIを達成している企業が存在する国は、モビリティ戦略へのCEO参画率が高い」という。

デジタル化先進企業が存在する米・仏・韓では40%から52%の企業が“モビリティ戦略にCEOが関与する”と回答しているのに対し、日本の回答率は32%にとどまる。日本では事業部長などが担当するケースが多く、「モビリティ戦略によって自分の担当事業を破壊しかねないようなアイデアがでてくると、事業部長はそういった根本的な改革を避ける。全社的な最適化を実現するためにもCEOの関与が必要」と清水氏は指摘する。「“デジタルだから”とCIOに任せてしまうのはよくないと考える。デジタル活用はビジネスそのものの課題。CEOが受け持つのが理想」(清水氏)。

「戦略実行と推進体制の整備」については、200%以上のROIを達成している企業が存在する国では、21%~28%が「モビリティを適用するビジネス領域の選定に関して、探索・評価・優先順位づけをするためのオーソライズされたプロセスが存在する」と回答した。日本は17%だった。

また、同調査では「モビリティ戦略を正しく実行に移すうえで欠かせないスキルや経験を持った人材を社内に有している」と答えた企業は、中国をはじめ、「デジタル化先進国」の多くは40%近くなっている。(米38%、英40%、カナダ35%)一方日本は29%。グローバル平均30%にみたない結果となっている。

「期待した効果創出を実現するために必要なスキルを有した人材を社内外から獲得することが、モビリティをはじめとするデジタル施策の成否を分ける重要な要素になる」と人材育成の重要性が強調された。

最後の「モニタリングと俊敏な軌道修正」については、モニタリングという点では、日本においてもグローバルにおいても、戦略実行のモニタリングプロセスを持つ企業は少ない、という。ただ、「実行中のデジタル化戦略に対し、客観的にその実行状態の健全性・有効性を把握できる、自社専用の定量的な指標設計を有しているか」という質問では、グローバル平均は日本企業よりも4%高かったという。

《北原 梨津子》

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