【いつもNAVI ドライブ インプレ前編】無料アプリとは一線画す強力ビジュアルと便利コンテンツ

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イラストで分岐も分かりやすい
イラストで分岐も分かりやすい 全 17 枚 拡大写真

スマートフォン向けナビアプリといえば『Googleマップ』や先頃発表された『Yahoo!カーナビ』といった無料アプリが大きな利用シェアを得ているが、フィーチャーフォン時代からナビゲーションを手がけてきたナビタイムやインクリメントPもカーナビ機能では有料ながらも市場では健闘している。

それぞれ有料に値するオンラインコンテンツやドライブ機能を売りにしているが、ここに来て「ナビアプリ界の巨人」とも言うべきゼンリンデータコムがtoC市場にも本腰据えて取り組む姿勢を見せてきた。それがこの春より提供を開始した『いつもNAVI ドライブ』だ。今回は、iPhone版をじっくり試す機会を得たのでレポートしたい。

◆出費に見合う価値が求められる有料ナビアプリ

いつもNAVI ドライブでは地図表示(一部3D)や施設検索、ガソリンスタンド/駐車場情報、お気に入り地点登録とのWeb同期といった機能は無料版で利用できるが、フル3D地図やルート探索/交差点やレーン案内を含むナビゲーションは有料となる。

有料版の販売価格は、iOS版の場合30日間で300円、1年間で3000円。Android版は30日間300円の価格設定のみとなっている。車載カーナビとしては非常に魅力的な価格ではあるが、スマホアプリとしてはそれなりに高額な部類に入るだろう。ましては無料アプリも揃っているナビアプリにあっては、この出費に見合った機能や利用価値があるかも気になるところだ。

いつもNAVI ドライブは地図やPOI(スポット情報)を端末のストレージに保存せずに通信で取得する、いわゆる「オフボード」タイプのナビアプリだ。ただし、全てを通信するというわけではなく、100MBから2GBまでの地図キャッシュを持たせることができる(設定メニューで変更可)ので、繰り返し利用するユーザーでもパケット代が過大になる心配はないだろう。

◆リアルで精細な3D地図表現に息をのむ

ではアプリを立ち上げてみよう。この手のアプリの例に漏れず、スプラッシュ画面の後に地図が表示されるが、超高精細な3D表示にまず驚く。建物の形状が忠実に再現されているだけでなく、スクロールやピンチイン/ピンチアウトで実写さながらのかたちで描画される。レスポンスも申し分なく、地図の移動にストレスは感じない。より地図を拡大すればランドマーク以外のビル群も表示される。ナビ目的でなくともスクロールさせるのが楽しい地図は珍しい。

なお、道路やPOIは半透過されて描かれる。建物に道路が隠れてしまって道路の形状が分からないということもない。このリアル感は建物だけではない。地形の起伏も地図データには含まれているので、山地や丘陵などの地形も確認することが可能だ。充実した地図描画は他社のナビアプリにはない会社を親会社に持つ同社のメリットが発揮されている。

◆3D地図を見せるために配慮された画面構成

画面構成としては、このリッチな3Dマップの恩恵を得るために最大限に地図部分を大きく見せることに配慮している。画面下をタップすると一時的にスケール(地図の拡大縮小)ボタンとメニューが表示される。左下の水色の円は現在位置に戻るボタンで、地図が現在位置の時にこのボタンを押すと現在の住所が表示される。最初はどこをタップすればメニューが現れるのか、少し戸惑うが、すぐに慣れるだろう。

VICSにももちろん対応しており、スケールを縮小しても高速道路などの有料道路の順調/渋滞表示は見られるようになっているあたりは、利用用途をきちんと考えて作り込んでいる証拠だろう。

いつもNAVI ドライブならではの特長として、充実したリアルタイムコンテンツも挙げておこう。メニュー>ダッシュボード内に「ドライブコンテンツ」として専用の入り口が設けられており、ガソリン価格情報が閲覧できる「ガソリンスタンド」、満空情報付きの「駐車場」、「コンビニ」「ファミレス」「ファーストフード」という項目が用意されている。

このほか、画面輝度調整や音量、地図の昼間/夜間モードの切替、VICSのオン/オフといった利用頻度の高い機能はメニュー>車両アイコンですぐに入ることが出来るほか、目的地検索は検索ボタンを押せばキーワード入力欄が最上部に表示されるなど、スマートフォンに最適化されている。お気に入り地点は10のグループに分類できたり、スマートフォンの連絡先から目的地を設定することも可能だ。

後編では、実際にナビを利用して案内機能やドライブコンテンツの使い勝手についてレポートしたい。

《山谷克明》

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