レクサスは7月29日、ブランド初のコンパクトクロスオーバーSUV『NX』を国内で発売した。欧米では先行して販売を開始したNXだが、実は仕向けにより仕様が異なる。北米仕様では、アプローチアングルを改良するため、国内モデルと比べフロントバンパーが引き上がっているデザインとなっている。
その違いについて、NXのチーフエンジニアを勤めた加藤武明氏は、「アメリカのライトデューティートラック要件を満たすため、フロントバンパーの構造を変え、アプローチアングルをとりました。何故そうしたかと言うと、トラック要件を満たす事によって、プライバシーガラスをリアとバックドアに設定出来るためです。これは乗用車カテゴリーでは出来ません」と言う。
さらに、「CAFE(Corporate Average Fuel Efficiency)、アメリカでの企業別平均燃費を良くすためにトラック要件に入れたと思われますが、NXでは関係ありませんでした。営業側からプライバシーグラス採用の要望が強かったことが大きな理由です。そこから、これを満たすためにアプローチアングルをとるか、グランドクリアランスをとるかの選択になりました。結果、全高とデザインを考えアプローチアングルを達成できるようフロントのデザインを変更したのです」と加藤氏は述べた。
全体のデザインでは、スポーティさを現すため、SUVとしてはフロントオーバーハングを長くし、リアをコンパクトに収めている。NXの全長は、RXより140mm短い4630mmで、全幅は1845mmだ。