【頭文字D × レスポンス】群馬から世界の頂点へ、ただ速いクルマは作らない…スバル インプレッサ 開発者 現STI 森宏志氏

モータースポーツ/エンタメ 出版物
スバル インプレッサ 開発者 現STI 森宏志氏
スバル インプレッサ 開発者 現STI 森宏志氏 全 5 枚 拡大写真

新劇場版『頭文字D』Legend1-覚醒- の公開に合わせ講談社は、頭文字D連載18年の歴史を振り返るガイドブック『頭文字Dの軌跡 挑戦の記』を発売した。「挑戦」をキーワードに、原作者しげの秀一氏によるロングインタビューや、名シーンの解説のほか、単行本未収録の番外編なども収めたファン必携の書に仕上げられた。

また、本書の見所のひとつ「レジェンドインタビュー5連発」では、レスポンス編集部との共同編集により、劇中に登場する国産スポーツカー開発者へロングインタビューを敢行。開発秘話を語ってもらった。

スバルからは、中盤より主人公・藤原拓海の父、文太の愛車として圧倒的なパフォーマンスを見せつける『インプレッサ』の開発者で、現在STIのコンプリートカー開発をまとめる森宏志氏が登場。世界の頂点を目指し開発されたという「スバルの走り」について訊いた。

本稿では、『頭文字Dの軌跡 挑戦の記』に掲載された森氏のインタビューを、一部抜粋してお届けする。

◆群馬から世界の頂点へ ただ速いクルマは作らない

----:インプレッサの開発方針について教えてください

森:世間の人は、(『頭文字D』の単行本を指さして)こういうところに出てくるクルマがインプだと思うじゃないですか? だからランサーエボリューションよりも速いクルマにしないといけない。

(中略)

ターボ系はWRCで勝つことという明確なコンセプトがありました。開発当初からラリードライバーのペター・ソルベルグやトミ・マキネンも参加していました。なんとかWRCで勝てるマシンにしたいというのを掲げたんです。そうした開発のなかではペターは「タイヤから前にも後ろにもボディはいらない、オーバーハングは不要」なんてよく言っていましたけど、そうもいかないのでなるべく小さくして……というので5ドアにしてオーバーハングを詰めてって作りました。そしてノーマル(自然吸気系)は軽くして利益がしっかり出るクルマにしようというコンセプトでした。

----:インプレッサを作っている時に一番強く込めた想いは?

森:(中略)お客さんが「このまま九州まで行っちゃおうか」というようなクルマにしないとだめなんですよ。意のままに動くクルマはそういう気分にさせてくれる。

電子制御を採用したり、バイワイヤーを採用したりするようなことはスバルでも積極的にやっていますが、“ドライバーの意志とは違う。でも速く走れる”というのはなしです。それってドライバーの思い通りではなくて、クルマがそういうふうに乗せてくれているという感じでしょう。アクセル抜いたら突然変な挙動をしたりしてはダメなんですよ。

スバルもDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)とかEPB(電動パーキングブレーキ)とか電子制御はやっているんですが、ドライバーの意志を損なうものにならないようにしています。インプレッサがランエボなどに比べてアナログだと言われるのは、いろいろなことをクルマまかせにしないでドライバーに主導権を与えるクルマ造りにしているからなんです。ドライバーが意のままに操っているという感覚は残さないとダメだという思想なんですよ。

『頭文字Dの軌跡 挑戦の記』
価格:907円+税
発行:講談社

◆8月14日 『頭文字Dの軌跡 挑戦の記』発売記念トークショーを開催

『新劇場版「頭文字D」Legend1-覚醒-公開記念86“超”夏祭りin Daiba at MEGA WEB』内にて、「国産スポーツカーと5人のレジェンド with 土屋圭市~『頭文字Dの軌跡 挑戦の記』発売記念トークショー~」を開催。GT-R、RX-7、WRX STI、NSX、そして86開発者が勢揃いし、開発秘話を語る。

日時:8月14日 15時00分~16時00分
会場:東京・台場 MEGA WEB 1F、MEGAステージ

《レスポンス編集部》

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