【日産 スカイライン 200GT-t 試乗】ターボは軽快でぐいぐい攻撃的な走り…岩貞るみこ

試乗記 国産車
日産・スカイライン 200GT-t
日産・スカイライン 200GT-t 全 12 枚 拡大写真

パッケージングの★が2って怒られそうだな。だっておデブなんだもの。昔話を懐かしむのは好きじゃないけれど、でもやっぱり『スカイライン』はアメリカおじさんの好みに合わせてグラマラスに全身整形した美女みたいだ。

ただ、今回のデザインは悪くない。目つきの精悍さとか、LEDの使い方、絵の具をたっぷりつけて流したようなボディの面のきれいさとか。後姿に迫力とアクの強さがもう少しあればいいのにとは思うけれど。

今回の試乗車は、2リットルのターボエンジン搭載車である。少し前に出たHVと比べると、驚くほど性格が違う。HVシステムを積んだぶん、どっしりと重い走りのHVに対し、こちらは軽快でぐいぐい攻撃的な走り。音も、HVはモーターアシストの静かさを全面に押し出し、状況によってはエンジン音はほとんど聞こえず、風切り音とロードノイズ(これが結構うるさい)ばかり耳につくのに対し、ターボはわざわざエキゾーストノートをスピーカーから流して「走っているぜ感」を演出しちゃう。走りのスカイラインを期待する身としては、この「アクセル踏んでいるぜ」な気分が満喫できるこの感覚は悪くない。

走りのスカイラインを堪能するには、すでにHVに搭載され、ターボには秋からオプション設定だというダイレクト・アダプティブ・ステアリングを選びたい。路面の凹凸を感じさせないこのシステム、走りのインフォメーションはハンドルからだろうという人にとっては、不必要どころかいらんお世話なシロモノだろうが、私のような小心者には、神々しさすら感じてしまう。だって、ハンドルががたがたすると、ああ、もうこれ以上、速度をあげたらヤバイかもと右足がだらしなく戦意喪失してしまうのだが、このダイレクトうんぬんはそれがないので、アクセルをしっかり踏みながらコーナーを立ち上がることができるのだ。踏んでもボディ&サスペンションがしっかり支えてくれるので、なんの不安もないし。そんなバカなと思わずに、購入検討者のみなさまにおかれましては、ぜひ体験してから選んでいただきたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  4. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る