【スーパーフォーミュラ 第4戦】オリベイラがポール獲得…ルーキー野尻智紀が予選2位に躍進

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左から予選2位の野尻、ポールのオリベイラ、3位のデュバル。
左から予選2位の野尻、ポールのオリベイラ、3位のデュバル。 全 8 枚 拡大写真

全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)第4戦の公式予選が23日、栃木県のツインリンクもてぎ(ロードコース)で実施され、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが今季2度目のポールポジションを獲得、新人の野尻智紀が自己ベストの2位に食い込んだ。

前日午後の練習走行では一時、路面温度が47度に達する猛暑だったもてぎ。だが予選日のこの日は、暑いことは暑いものの、ノックアウト予選開始の午後1時15分時点の気温が32度、路温が38度と、曇り気味の空模様だったこともあって、時季的な面を考えれば暑さやや控えめなコンディションでの戦いとなった。

「昨日からの手応えでは、ポールを争えるとは思えなかった。マシン(セッティング)の改善はゆっくりと進んでいる状況だったが、ある変更がコンマ3秒ほどを稼ぎ出してくれたんだ」と語るオリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)は、Q1を4位、Q2を2位で突破し、Q3ではニューレコードタイムとなる1分32秒321をマーク。2レース制での開催だった第2戦のレース1以来となる今季2度目のポールポジションを獲得した。

やはり同レース以来となる今季2度目の優勝に向けては、「明日(決勝日)の朝のフリー走行でいろいろと試すことが大切だし、ピット戦略も重要になる」と語るなど、まだ盤石とまで言える状況ではないことを窺わせるオリベイラだが、「ポールからスタートする以上のことはないのだから、もちろん期待はできると思うよ」と、自信も見せている。前戦(第3戦)がトップ走行からのリタイアだっただけに、チャンピオン争いのことを考えても、今回は是非とも勝ちたいところだ。

今回からトヨタとホンダのエンジンが後半戦バージョンにスイッチされた。今季新採用の直噴2リッター直4ターボエンジンには燃料流量リストリクター(燃料流量制限装置)という特徴的な機構があるが、ブレーキに厳しいコースである今回のもてぎと、220km無給油設定のレースになる次戦オートポリスのこと等が勘案され、第4~6戦は燃料流量を従来の100kg/hから90kg/hに絞って戦う決まりとなっている(最終第7戦鈴鹿では100kg/hに戻る予定)。

そういった変化とバージョンアップ合戦のなかで、これまで劣勢だったホンダ勢にも浮上傾向が見られており、特に躍進著しかったのはDOCOMO TEAM DANDELION RACING。新人ながら今季開幕から健闘が目立つ野尻(#40)がQ1を2位、Q2を1位で通過し、Q3でもオリベイラに次ぐ2位に入る健闘を見せた。

「ターボ車のドライビングを研究して、それに合わせられたと思います。でも、持ち込み(事前にチームが考案したセッティング)の状態からマシンが好調で、正直(ポールを)狙っていましたから、悔しいですね」と、野尻はチームのセッティングがうまく機能していることを強調。ホンダの後半戦仕様エンジンについても「扱いやすさが向上していると思います」との旨を語っている。フロントロウ発進となるルーキー野尻の走りが決勝でも大きな注目を集めるとともに、レース展開のカギを握ることになりそうだ。

予選3位は今回がルマンでの事故以降初レースとなるロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)。4位には石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)がつけ、現在ポイント首位の中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が5位。

なお、この日は冷却用ドライアイスの使用を巡る問題が主と思われる状況で、予選終了後の結果確定が大きく遅れた。結局、6位だったジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING/トヨタ)と8位だった山本尚貴(#1 TEAM無限/ホンダ)、19位だった中山友貴(#2 TEAM無限/ホンダ)の3名がタイム抹消となり、予選6位はF1ベルギーGP参戦中のアンドレ・ロッテラーに代わって出走したアンドレア・カルダレッリ(#36 PETRONAS TEAM TOM'S/トヨタ)に。7位が武藤英紀(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)、8位が平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)となり、タイム抹消の3者はグリッド後方(17~19位)からの決勝出走となる見込みだ。

決勝は明日(24日)の午後3時にフォーメーションラップ発進予定。52周、約250kmの戦いとなる。

《遠藤俊幸》

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