【日産 スカイライン 200GT-t 発表】ダイムラーと日産、“変速哲学”の違いとは

自動車 ニューモデル 新型車
日産 スカイライン 200GT-t
日産 スカイライン 200GT-t 全 8 枚 拡大写真

日産『スカイライン200GT-t』のエンジンとトランスミッションは、ダイムラー製のものが搭載されたが、そのセッティングに関しては、大きく異なっているという。

日産自動車パワートレイン開発本部パワートレイン第三製品開発部の小林晋さんは、「ダイムラーは、比較的変速させないで、そのままのギアをキープするという特徴がある」とし、「それは日産やインフィニティのキャラクターとは若干違う方向性なので、そこを(ダイムラーに)理解してもらうのがとても難しかった」という。

具体的には、「ダイムラーのATに比べ、日産は変速レスポンスが早く、変速するスピード(例えば2速から3速にシフトチェンジする時間)も早い」と小林さん。当初、ダイムラーに対して、「日産の目指している方向性を説明すると、その通りにしてくるものの、これはダイムラーでは変速ショック以外の何物でもないので受け入れられないといわれた」と振り返る。

そこで、「日産独自の評価システムをもとに、味付けなどをしていくと、日産らしさが出ることを説明していった。その結果、変速ショックといわれていたことも、何だかわかる気がすると変わってきたのだ」と述べる。

「ダイムラーは、変速するスピードを早くするとショックにつながり、不快になると考え、変速スピードをとても長くセッティングしている」と小林さん。

「そのショックとレスポンスを両立させることは、日産が得意としているところで、これまでのトランスミッションでも経験を積んでいる。それを踏まえて一緒に乗りながら、評価をしていくと、その意図を良く汲んでくれて、変速タイミングやスピードなどが変えられたのだ」と話す。

その結果、「メルセデスの量産車とこのスカイラインを乗り比べると、トランスミッションの変速の仕方は全く違う。つまり、エンジンなどを含めて日産向けにチューニングが施されているからなのだ」とコメントした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
  5. 新型ダイハツ『ムーヴ』用エントリー車高調が早くも登場! タナベ「サステックプロCR」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る