宇宙航空研究開発機構（JAXA）は、スウェーデンエスレンジ実験場で実施する予定だった低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験（D-SEND#2）を中止したと発表した。
計画していた試験期間中、試験可能な気象条件を満たさなかったため。
ソニックブームの低減技術は、将来の次世代超音速旅客機実現に向けた最重要課題の1つで、D-SENDプロジェクトは、「低ソニックブーム設計概念」の実現性を飛行実証により示すとともに、現在、国際的に検討が進んでいる、次世代超音速旅客機ソニックブームに関する国際基準検討に貢献可能な技術やデータを獲得することが目的。
第2フェーズ試験（D-SEND#2）は、JAXA固有の「低ソニックブーム設計概念」を用いて設計した航空機形状の超音速試験機を、気球から落下させることにより超音速飛行させる試験。この試験飛行で発生したソニックブーム波形を計測し、設計概念を確認・実証する予定だった。
JAXAでは今回の状況を踏まえ、今後、D-SEND#2の試験計画について再検討する。